第4話

肉体を持つ者にとって「血筋」というのは、公にも私にもとても重要な事のようだ。

本能による差別もとても大きい。

まして利権が絡めばなおのこと。


王の私部屋に二人きり。

何故この日を企てたかの全てを知るやるせなさが襲う王を、初めての清い衣のちぬの、理解の及ばない任務への戸惑いと忠(まごころ)が解かし始めている。

早い。

天性の浄化力、癒しの力なのだろうか。


選ばれし者のみが許されるお茶を、御簾冠のない微笑みの王に勧められ、少し距離をつめる際に出た、社殿で染み付いた侍女振る舞いを指摘される。

このお茶を飲むに相応しい女性としての所作や姿勢を手解かれ、ぎこちなくも果敢に挑むちぬに、王が久し振りに癒されてる。


…邪魔しちゃいけないな…

と、私は天空に離れた。

何だかとても安心し、天空に離れ、目を閉じたかのように暫く静かに漂った。

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