第3話

明らかに文化の違う港に着いた。

忍びのような、出来る案内人達が待っていた。

さらに運ばれる。

陸での動力は馬に変わる。

五つの宿を経て、許都(シュート)に到着。

あまりに立派に連なる宮殿に襟を正すちぬとしろ。

初めての威厳ある春の香りが緊張を煽る。


立派な案内人へと繋がれ、主殿の後ろに点在する、いくつかの建物へと誘導される。

その一つの、訪問者の宿となる建物に荷は運ばれ、それに着いて行こうとするちぬとしろを、引率者と案内者が主殿に促し、謁見の為の間にて待つよう示される。

緊張で喉が渇くしろと、好奇心に目を見張るちぬ。


暫く待たされた後、足音と衣擦れの音。複数名が配置につき、正面の玉座に御簾のついた冠で顔をはっきり見せない、一番偉い人が座った。

後漢最後の皇帝、献帝劉協だ。


とても豊か。厳しく優しい、でも少し悲しそうな面差し。

最上級のお辞儀をするちぬとしろ。

顔を見せるよう先方の臣に言われ、おずおずと顔を上げる二人。

その後二人は別々の場所に誘導された。

しろは宿舎へ。

ちぬは先方の官女に世話をされ風呂へ。

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