第2話

龍の首の船上でも、半裸の動力達が無器用な深いお辞儀で迎える。

「触れてはいけない宝物」の運搬と聞かされていた動力達。

その宝物とは、自分達の知る女とは違う、上質な仕度に上質な香り、赤い唇の女性二人の事とすぐにわかり、一層の緊張が走る。


女性二人、ちぬとしろはなぜ行くのか、どこに行くのか知らない。ただ大役に選抜され赴くことのみ告げられている。


ちぬは可憐でありながら教養溢れる会話の妙があり、男勝り。好奇心旺盛で、引率者に窘められても船内散策、人夫達に質問しては緊張させていた。


一方しろは、品、教養はあるが、文字通り抜けるように白く、気高いプライドのせいか笑わず、狐の嫁入りを彷彿とさせる容姿。船の不潔さに馴染むことはなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る