2 転生者は殺害対象である
転生者は世界が変わっても異能を失わない。
その事実が公然となると世界は議論を始めた。
――常軌を逸した能力を持った彼らをどうするべきか。
選択肢はたくさんあった。
共存。
排除。
利用。
服従、等。
どの選択肢にもメリットがあり、デメリットがある。
議論には長い長い時間を要すると予想されていた。
しかし、結論は意外に早く出た。
『奴らを殺そう。あまりに危険すぎる』
我々人類と、彼ら転生者には大きな力の隔たりがある。
どの選択肢を選ぶにしろ、服従の恐怖がついてまわるというのは想像にたやすい。
また、あまりに大きな転生者の力は国家の力関係を崩す可能性すらあった。
ならば、世界の常識が変わらないうちに排除してしまおう。
彼らを許容しても、リスクに見合ったリターンはない。
そう考えた人類は異世界から戻ってきた彼らを便宜上『再転生者』と名付け、人類の敵とした。
次々とこちらの世界にやってくる再転生者をどうにかして殺害する。
それが、我々人類に与えられた至上命題であった。
2035年。
今より少しだけ科学技術の発展した世界で、彼らは転生者と相対する。
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