第2話 This is "O"
あぁ、いつ見ても素敵だわ...
彼がいない世界なら生きてる意味がない。
彼がいるから私がいるの。
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仲間 音(おと) 22歳 都内在住
化学科を専攻する大学三年生
青森から大学のために上京し、現在大学の友達とシェアハウスをしている
私にはね、憧れの人がいるの。
彼は向かいのアパートに住んでいて、毎朝ベランダでコーヒーを飲みながら猫に話しかけているの。
ほんっっっとうに素敵なの。彼!!
この世の物とは思えないほどに整った顔立ち。飾らない服。自然なしぐさ。
彼の行動の一つ一つが美しの...
って、私ストーカーとか覗き見犯とかじゃないからね!!
たまたま偶然、私の部屋から彼のベランダが見えるだけで、、、
やましことは何もないのよ!
でもね、どうしても見てしまうの。彼を見ていると心が穏やかになって、自然と笑顔になれて、なんだか元気も出てきちゃうのよね。
本当は彼の存在を誰にも教えたくないんだけど...ここだけの話だからね、誰にも言わないでよ!一緒に住んでる親友にすら話してないんだから!
私たちそれぞれ部屋を持ってるんだけど、私の部屋のほうが狭くて、日当たりも悪いの。引っ越した時にじゃんけんで負けたのよ。でも今はラッキーだったと思うわ。彼を毎日眺めることができる特権付きの部屋なんだから。
毎日見ているけれど、彼のことは何も知らない。
コーヒーが好きなこと。
猫を飼っていること。
シンプルなものが好きなこと。
あと多分結構なお金持ちね。(あのアパート絶対家賃高いもの!)
肝心の名前がわからないのよねー。名前と年齢さえ分かれば、今時SNSですぐに探せるのに...
しかも彼、近所に住んでいるはずなのに外で見かけたことはたったの一度もないのよね。一体何者なのかしら。
あ、やばい。そろそろ学校に行かないと授業に遅れちゃう!
今日はゴミの日だわ!
ゴミ、ゴミ...
ってなにこれ?
ピーチェッ、ク....
って妊娠検査薬!!!!!!?????
噓でしょ!?
まさかあの子妊娠..
ってそれどころじゃないわ、早く学校行かないと!
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