異世界クラブで恋がしたい

村ちゃん

第1話 This is "M"


東京は息苦し都市だ。どこに行っても人、人、人!

空気は悪いし。物価は高いし。何よりもこの騒がしさが僕は嫌いだ。


できることならどこか異国の地で静かに平和に暮らしたいものだ。。。

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坂田まさ 23歳 都内在住

IT系に努める社会人一年目

両親、姉、妹、犬一匹と実家暮らし


僕のプロフィールは薄っぺらい。特にすごい経歴があるわけでもなければ、すごい特技を持ってるわけでもない。普通に高校でて、大学卒業して、あっさり社会人になった。

要領がよくて、聞き分けがいい。あとそこそこ運に恵まれている。おかげで23年間平凡に過ごしてこれたのだ。


普通に恋愛もしていた。高校二年の時にクラスに転校してきた子に一目ぼれした。彼女はドイツ人と日本人のミックス。(ハーフっていうと彼女に怒られるから僕はミックスという)

僕の猛アタックの末、彼女と付き合うことになった。普段なら自分から積極的に話しかけたりしないのに...

あの頃の僕はどうかしてた。とにかく彼女の虜だったんだ。


しかし、大学に入る前に僕らは別れた。彼女がドイツの実家に帰ることになってしまったからだ。


今でも時々彼女のことをを思い出す。あんなに素敵な女性にはもう二度と出会えないのではないかとすら思う。


彼女と付き合っていたおかげで僕は英語を流暢に話せるようになった。さらにドイツ語も少しだけ。日常会話レベルなら支障なくコミュニケーションが取れる。


語学ができることは就職に非常に有利だった。だから僕の就活はそれほど大変なものではなかった。


思いのほかに長話をしてしまった。僕の人生は短編小説ぐらいにはなったかな?


自分の人生に不満があるわけではない。でも満足しているわけでもない。

かといって何かものすごい目標を抱えているわけでもない。

もしも彼女が日本に居たら違ったのかな... なんて考えてしまう。


いっそのこと全部投げ出して彼女のいるドイツにでも行ってしまおうか。いや、もしかしたらすでに新しい彼氏ができてしまってるかもしれない。


ただ僕はこの都市が嫌いだ。


東京。


生まれた時から僕はこの都市で生活している。学生だった頃は何も感じなかったが、社会人になって急に息苦しさを感じるようになった。


彼女への未練と自分の決断力のなさが僕自身をこの都市に縛り付けているのだろう。

分かっているのに思い切れないところがぼくの短所だ。



Let me of the Tokyo...


なんちゃって。

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