あれ?もう一か月?!
「いや~、ようやくゆっくり出来るな!」
「はぁ?お前次のテスト一か月後だからな?」
「は、、、?」
俺は目を見開いて、そして記憶を掘り起こし始めた。
えーと予定表になんて書いてあったかな~?
考えなくても目の前に答えがあるからな。
ふっ、一か月かぁ、一か月かぁ、一か月――
「はぁ、なんで知らねーんだよ。とりあえずまた帰ったら勉強な」
武田は俺の肩を叩いてそういう。
「そうだな。頑張るよ」
俺は苦笑いを浮かべ空を見上げた。
あ、夕日がビルで見えねぇ。
運命の結果発表!
「さて、やってきたな……」
「来たわね」
「汚な」
「おい武田、俺はしっかり風呂入ってるぜ」
「心だよ」
「間違ってはないわね」
そうなのだろうか。
そういうこと言ってるお前らのほうが汚いな。
言葉にはしないけれども……
「とりあえず、結果を見ていくぞ」
「どうぞ」
とかなり適当な武田。
まぁ他人事だからなあ。
「き、緊張するわね」
とこちらは一緒に緊張してくれる、木下。
絶対こっちの方がもてる。
と俺は確信を持てる。
まずは、、、
「数学から」
一番頑張った科目だ。
これがこけていたら終わる。
まぁ、安牌ってやつだな。
「見るぞ」
俺はテストの得点欄に目をとうそうとすると、
「ってお前テスト返却されたときになんで見てないんだよ」
「今いうか!?まぁ皆で見たかったんだよ」
「うちの学校はテストは返したらそれきりだものね」
と木下は微笑む。
「それきりじゃないってどんなのだよ」
俺は目を細める。
特に意味はない。
「仕切り直して見るぞ」
俺は裏返してある答案用紙をつかみ、裏返す。
「こい!!」
「おお~!」
「ええー!」
四十八点だった。
「やったな!山下!」
「やったわね、山下!」
「おー。すげー!」
三人の頬が緩む。
しかし、俺はすぐに真顔になると
「え?たった四十八?あんだけやって?」
「お前なぁ、マイナスをプラスにしたんだぞ?もっと喜べ」
と肩を叩く武田。
「そうよ、大変だったんだから。はい次!」
「へいへい。じゃ、次英語」
「ぺらり」
「おおー!」
「ええー!」
「これ毎回すんの?」
「それより、コミ英三十七じゃない!やったわね!それに英表も三十六!いいわね」
と木下は満面の笑みだ。
武田もいい顔をしている。
「よし!一気にいくぜ!」
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