口がダンスを始める時、怒りが一帯をみたす

「さて、試験勉強を始めるわよ」


木下はそう言うと、教科書を取り出した。


「お前も勉強すんの?」


「そりゃあ、私もやらないと駄目でしょう」


木下は当然だという風にいった。


「そうか、お前らも勉強するんだな」


「なんだと思ってたのよ」


「化け物」


ストレートすぎたな。

もっと俺はスライダーを使えば良いのかもしれない。

縦カーブかな?


「ゴスッ」


殴られた。

暴力女め。


「あんたねぇ、もっと言葉を選びなさいよ。言葉を」


何をいう。

厳選したんだぞ。

めちゃちゃ。


「わりかったな。口が踊った」


「いや、どういう意味よ」


おどったんだな~これが。

わからなくたって良い。

そんなもんだろう。


「はぁ~。とりあえず、始めるわよ」


「?」


「勉強」


「はっ!」


閃いた。

そう、勉強である。




「紙を開いて上を見て~」


とんでもない歌だなこれは。

歌なのか?


「詩」


山際の

景色はきっと

ミニ四駆


やべえ。

頭を冷やさねーと。


を?

あれは、、、

武田だ。

武田は誰か女子と歩いているようだ。


「はは~ん」


彼女だな。

まぁ声をかけるのは野暮だな。


「やべえ。頭冷やさないと」


思わず、煮汁をこぼした。

タッパーである。




「お前さあ、この前お前いたよな。駅前」


「ああ?」


「いや~声かけようとしたらどっかいっちまうし」


「ふ~ん。何してたんだ?」


「姉と買い物」


そうか。

姉か。

姉か、、

姉か、、、




「お前さぁ、兄弟いる?」


「え?」


木下は唐突な質問に固まったが、すぐに


「いないわ。どうしたの?」


「誤解がないように」


「はぁ?」


誤解があるからな。

たまに。


「で?どうすんの?あと一週間だけど」


「それね、とりあえず今までにちゃんと苦手なところ調べたでしょう?」


「おう」


「それ使うの」


「なるほど。天使か」


「え//」


間違いだ。




「木下。遅くまでいてくれるのは有難いが、もう遅い。とういうかもう十二時だ。補導されるぞ」


「あんたに言われてもね~」


「はぁ、とりあえず親呼べよ」


「はぁ?ここは普通泊まっていけよでしょう?!」


は?なんだそれは。

俺の辞書には載ってないぞ。

ジーニアスならいいのかジーニアスなら。


「とりあえず、帰れよ」


口が踊った。

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