正夢って頑張れば実現できるよね?

「残念、六十点でした」


「う~ん」


「直しした?」


「おう、武田に言われてな」


「う~ん。じゃああれね。もっと頑張らないとね」


「頑張りではどうにもなんねーよ」


「そうね。もう一回じゃあやってみよう。解きなおしね」


にこっと微笑む木下。


「よし、ここまで来たんだ。理解力を上げてやるぜ」


やる気をいれなおした。




「へぇ、山下君年上に見えると思ったら、本当に年上だったんだね。がたいがいいし、、、でも高校の制服着てるから……」


そういう中西は昨日ナンパされてくれた、高校三年生だ。

つまり一個下だ。

可愛い。


「なぁ中西、お前は何が好きなの?」


「えっ、、、す、好きな、好きなのは……ほ、本かな」


「おお、本か、、、ん~。あんま読まねーな。漫画とかしか読まねー」


「じゃあ、こんどおすすめの本もってくるよ……」


「お、楽しみ」


最近は勉強づくの日々で癒しが欲しかったとこだ。

木下は可愛いが性格がきつい。

中西はそれに比べ、可愛い。

時間をかけて、攻略するつもりだ。


「や、山下君の好きなのは……?」


”「中西だよ」”

というのは心の中にとどめておいて、、


「うーん、中西かな」


あ、、、脳が、脳がない!!

どうしたものか。


「え、や、山下君//」


あれ、まんざらでもない?

これはいける?!

ええい、人生勢いだ!!


「俺と付き合ってください」


なんかあれだな。

ありきたりすぎる言葉だな。

もっとこう「月って綺麗だよね。君みたいに」みたいなのを使いたかった。

……冗談である。


「や、山下君……こ、こちらこそお願いします!」


キターーーーーー!


もう勢いだ。

タバコ吸わないようにしておいてよかったな。




「で、付き合い始めたから私と二人で勉強はできないと……」


「そう」


「はぁ~。そろそろあんたも目覚めなさい」


「え?」




「はっ!」


目が覚めた。


「あ、起きた」


「あれ?」


「もう、テストのやり直し終わったあとに寝ちゃったでしょ」


「あ、あ~あぁ~~」


目指せ正夢である。

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