第3話 父ちゃんとの約束
私がバレエをやりたいと言い始めてから約一年半。私と母のやり取りに父が口を出すことは一度もなかった。
私の父は
普段、家では必要最低限しか喋らない。
ハロウィンやクリスマスなどの海外発祥のイベントには全く興味がない。
毎朝六時ぴったりに起床。
と、典型的な頑固おやじで、少し変わり者だ。
さらに、姉が生まれて、喋れるようになったころに父のことを「パパ」と呼ぶようになったのを
「気持ち悪いから"父ちゃん"って呼べ」
と言った。
だから私は生まれてからずっと父のことを「父ちゃん」と呼んでいる。
私は未だ、バレエをさせてもらえないまま、もうすぐ小学一年生になろうとしていた。
姉のバレエの発表会のビデオを家族で見ていた時に、また私は「バレエをさせてくれ」とごね始めた。母がいつものようにスルーしていると、それを見ていた父ちゃんがついに
「いい加減、バレエに連れて行ってやれ」
と言った。
母はとても驚いたそう。父ちゃんも、私にバレエは向いてないと言っていたはずなのに...
どうやら私のバレエへの熱意は半端ないものだと思ったらしい(笑)
こうして、父ちゃんのおかげで私はバレエを習えることになった。
「いいか、これだけは約束しろよ」
と父ちゃん
「小学校に入ったら勉強をしなきゃいけないし、宿題もある。だから、バレエのせ
いで勉強が疎かになったらやめさせるからな。あと、もしもバレエが嫌いになっ
てやめることになったら、もう二度とバレエはさせないからな」
と言われた。
当時の私は、バレエが習える嬉しさで約束の内容などろくに聞かずに
「わかった!!」
と返事をした。
ちなみに、姉は数カ月前にあった発表会の後、バレエをやめた。
バレエの先生が好きではなかったらしい。そのせいもあって、母は私に習わせるのを渋ってたらしい。
私には根拠のない自信があった。
姉は上手くやれなかったけど、自分ならその先生ともうまくやっていける!
と...
バレエの勧め 村ちゃん @MMurachaNN
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。バレエの勧めの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます