第2話 空手とキッズビクス
初めてのバレエ見学に成功した。
幼いながらにかなり嬉しかったんだろう。
レッスン後、生徒たちは更衣室で着替え中。私はバレエの真似をして好きなように教室で踊っていた。
そんな私を見たバレエの先生は母に話しかけた。
「妹さん?あの子にはバレエは無理ね。脚の形がバレエには向いてないわ」
母は、余計なお世話だ!と思う反面、バレエをさせない理由を与えてくれてありがとう。と思った。
後日、再び姉のバレエを見学するチャンスが来た。母は私を車から降ろしてくれたのだから。
っと思ったらバレエ教室とは反対側の体育館に向かった。
そこではたくさんの子供たちが空手の練習をしていた。
私は空手の見学に連れてこられたのだ。
正直「ひどい!」と思った。あんなに毎日バレエをさせてと頼んでいるのに、まさか空手の見学をさせるなんて。私は一分もじっとしていなかった。このままおとなしく見学していたら空手を習うことになってしまうと察したからだ。
その結果、イヤイヤさせるのも違うのではないかと思った母は、私に空手を習わせるのは諦めた。
そんなこんなで私はもうすぐで小学校にあがる年齢になっていた。
町に新しい公民館ができた。
そこでは、キッズビクスという子供向けのエアロビクスのクラスが開催されていた。
バレエがやりたいと言い続ける私を、母はキッズビクスに連れて行った。
空手よりは良いだろうと思ったのか。。。
キッズビクスは思いのほか続いた。音楽に合わせて踊ったり、ボール遊びをしたり、時には親子でクラスをすることもあった。
しかし、私はキッズビクスの友達に仲間外れにされていた。音楽性が人より優れていた私は、先生によく褒められていた。だからみんなは嫉妬して、仲間はずれにしたのだろう。
そうしてキッズビクスも嫌になり、二カ月弱でやめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます