ep4 到着と説明

貨物船は、ほぼ予定通り港に到着した。

マットとラリーが船を降りた頃のあたりはちょうど夕飯時で、港近くの市場は人でごった返していた。

「マット、一杯どうだ?」と言うが早いか、ラリーはマットを引っ張って人混みを進んだ。

散々飲んだ後、3件目の静かなバーで、マットはラリーに

「ルフトゥーンって知ってるか?」と切り出した。

「もちろん知ってるぜ。それがどうかしたか?」と、ラリーはちょうちんのような顔で答える。マットは続けて、

「俺はそこの生まれでな。あるクソッタレ人工知能から街を救うために、わざわざこのトルコまで単身乗り込んできたんだ。」

「つっても直接関係があるわけじゃないんだが……。この辺りを仕切ってるTMSって連中を潰さないといけない。……そこでだ。アンタの腕を買いたい。もちろん報酬は弾む。どうだ?」

マットの交渉は、わずかな時間もなくラリーの握手を持って成立した。

ラリーは汚れ仕事を求めて世界を転々とする傭兵らしい。利害は一致している。

「計画は明日から始める、観光の余裕はないぞ。いいな?」

「ああ、任せろ。」

「よし。明日はとりあえず、現地でTMSと抗争してる連中と接触して協力を仰いでみる。今日はもう帰って寝よう」

「は?もう一件に決まってんだろ?」


夜は更けていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Tale of kitty めあやん @mareyan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る