ep2 準備

「まずは言語から始めよう。トルコ語は?」

カバンに書類やらを詰めながら、イルミカは言った。

「ある程度は。」

「よし。ギャング団の名前はTMSGroup。トルコ北東部を牛耳る、中程度の規模のギャング団だ。どうやら現地には抵抗を続ける民兵と、そこに雇われた傭兵団がいるらしい。まずはそいつらと合流して協力を仰ぐといい。」

イルミカはカバンを差し出しながら続ける。

「それと……君がこの街を出た瞬間、ルフトゥーンは君のことを、一度忘れる。」

「君がこの街に現れ、力を得てから9年。僕達は君のことを忘れることは無かったが、僕達は一度、君を忘れる。」

「それは……君を守るためだ。」

「……わかってる。また会おう。」


そう言うと、キティはカバンを取り、ルフトゥーンの街を出る路についた。


「……よろしく頼むよ。この街のために死んでくれ、子猫ちゃん。」

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