第45話【 脱出 】
その頃、
はぁ・・・はあ・・・はぁ・・
【
「カァー!」
小波は、地面へ降り立つと時雨を見上げて鳴いた。
【
「・・・なるほど、あそこの塀を越えれば、
逃げ道は、分かった。後もう少し・・・。時雨は体を起こそうした。しかし・・・。
・・・くっ・・・。
ゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッ・・・・・・・・・激しくむせ、手で口を覆う。
【
「カァーーーーーーーーーーーー!!」
【
「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫だ、
手を見れば、むせた時に出た血がベッタリとついていた。時雨はギュッとその手を握りしめる。
・・・出血が酷い。目の前はかすみ、足も思うように動いてはくれない。だが、いつ敵に襲われるか分からない、この敵の陣地で休んでいる訳にはいかない。
そんな中、
【
「にぃちゃん。もういい。俺を置いて行ってくれ・・・。・・・でも、ごめん。弟だけは、弟だけは・・・。」
【
「・・・それ以上言うな・・・連雨。お前が、面倒をみてやるんだろ?父上と母上がしてやりたくても、出来なかったことを、お前がしてやるんだ。だから、もう泣いてはダメだよ。・・・分かったかい?」
【
「うん・・・。」
しかし・・・
【
「ぐはっ!」
後ろから何かが肩に刺さる。見れば、
【
「俺は
【
「はぁ・・・はぁ・・・。はぁ・・・。本当によく効く薬だ。だから・・・大人しくしていたら、本当に捕まってしまいますね・・・。なら・・・」
そして、もの凄い勢いで、そのクナイを
その隙に
【
「まさか!もう動けないはずだ!」
しかし、
【
「なるほど・・・自分自身に暗示をかけたのか。しかし、それも、わずかな時間しかもたぬまい・・・。」
後から追いかけて来た伊賀の忍達が、空中を走る少年を見て、一瞬、戸惑う。
【
「惑わされるな!糸の上を走っているだけだ。見えない糸・・・それもかなり強度の良い・・・。だが・・・俺の糸に比べれば、こんなのただのタコ糸止まり・・・。」
そういうと
堀の向こうにいる氷雨は、とっさに手を伸ばした。
【
「
すると、
【
「
飛びうつった時に離れてしまった
【ホタル】
「
ホタルが駆け寄る。
【
「再会して色々と思うところがあると思うがそれは、後回しだ!」
それを見た一平は、生唾を飲み込んだ・・・。
【
「に、20人はいるか・・・。」
すると、うたかたは冷静に言う。
【
「・・・50人だ。
泡沫の言葉に、
【
「
すると、泡沫はため息混じりに言う。
【
「元々、どっかイカれてるやつだと思っていたが・・・やれやれ、完全に頭がどうかしちまったようだな。俺にはどこにでもいる貧弱なガキにしか見えねぇーよ。」
すると、泡沫は氷雨達の方を見て、静に言った。
【泡沫】
「お前ら、多勢に無勢だ。逃げるぞ」
全員が無言で頷く。
【
「ホタル。蛍火の術を使って
全員は了解するとホタルは、懐から、
【ホタル】
「蛍火の術!」
一つの黄色い光が、真っ直ぐと東の国に目掛けて飛ぶ。
【
「おら、しっかりしろ
【ホタル】
「
【
「にぃちゃん!!!」
【
「大丈夫!
【
「良いか。大人しくしてるんだぞ。オイラが守ってやるからよ。ネネ、こっちだ!」
【
「ネネ!」
【ネネ】
「分かってるわ!」
ネネは、森中のあちこちにクナイを飛ばす。すると・・・
ドッカーーーーーーーン!バーーーーーーン!!!
投げたクナイで森中に仕掛けた罠のかせを外し、敵に向かって
印を結ぶ手の動きは一辺の歪みもなく滑らかで、何やら不穏な動きをしていた。何が起こるのかは分からない。しかし、
【
「師匠!!!!ダメだ!!!人を殺しては!!!!」
時を同じくして、
ゴロゴロドカッン!!!!!
大きな大木に雷が落ち、燃えながら倒れ、伊賀の忍の行く手を塞いだ。そして、突如として辺り一面真っ白になるくらいの大雨が振りだす。
先頭を走っていたホタルが足を止めると同時に東の忍び達は、足を止めた。
【
「一体・・・これは・・・?」
【小波】
「カァー!カァー!」
カラスがやって来て、
【
「・・・この雨なら、痕跡も残らないだろう。今のうちだ。早く行くぞ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます