第38話【・・・振り下ろされた刃・・・】
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「そう、あの時・・・。古戦場で会った時、俺はてっきり、泡沫は、俺を殺しに来たんだ思ったさ。しかし、それは違った。あいつは、ただ自分たちの弟子を連れて、古戦場に遠足しに来ただけだった・・・。ガッカリしたよ・・・。あいつは、自分の弟子が、危険ちさらされるのを恐れ、俺に何も手出しして来なかった。」
【ホタル】
「師匠は、私たちを守るために・・・。今すぐにでも斬りかかりたい相手を目の前にしても、顔色一つ変えずに・・・。」
あの時、泡沫は、何も言わなかった。目の前にいる男が自分の母親を奪った敵であることを言わなかった。私たちを危険から守るため一人で悲しみを背負いこんでいたんだと、ホタルは思った。
ホタルは重い着物を脱ぎ捨てると、忍び装束の姿へと変わる。
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「なら、師匠の母ちゃんかたき、師匠の代わりにとってやるぜ!」
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「
何かの気配がする。三人は辺りに神経を集中させる。風がぴゅーと吹き荒れた。
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「っ!後ろだ!!!!!」
振り返れば、2人の忍びがそこにいた。その2人の忍び達は一斉にクナイやら、手裏剣やらを投げ込んでくる。
【ホタル】
「・・・
ホタルが手のひらを合わせるように印を結ぶと、三人を囲むように半球の赤い結界が現れ、
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「へぇーやるじゃないか。アタイは
そういう目の前にいるクノイチは、小さい体に似合わず、派手な化粧をしていた。よく見ればさほど自分と年齢が変わらないように思える。
【ホタル】
「何を言ってるの?あなただって、女の子じゃない?」
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「確かに・・・。でも、アタイはアンタと違って殺伐とした生き方してるから・・・女の子なんて、可愛い生き物じゃないよ・・・。」
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「ホタルー!!!!」
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「よそ見をするな、東の長男よ・・・。」
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「お前は・・・。あの時の・・・。」
あの目・・・。出会ったばかりの師匠がしていた冷たい・・・目・・・。こいつも、今まで沢山人を殺してきたのだろうか?表情が全く変わらない。心が動かないのか・・・?
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「あの時は・・・名乗ってなかったな。オイラは、
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「お前・・・。なんで、泡沫なんかの弟子やってんだ?」
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「え?」
予想外の少年の言葉に
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「お前、あいつが何をしたのか、知らないだろう?」
師匠がしたことなんて、分かっている。全て東に来た時に、話してくれていた。沢山、戦で人を殺して来たこと。その事を言っているのだろうか?
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「あぁ・・・。知ってるさ。戦で沢山人を殺してきたことだろう?」
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「いや、そうじゃない。お前達は知らないんだ。あいつが何をしたのか・・・。」
これは、こけおどしか・・・?
【
「こけおどしではない・・・。」
二人の間に長い沈黙が落ちた・・・。
うあああああああああああああああああ!!!!
・・・・・・ガッコーン・・・・・・
【
「いたたた。テメェー!しっかりしろよ。なにやりてんだい?」
【
「うるせぇー!お前だって、敵のこけおどしにやられてただろうが!」
そんな二人の様子を見て、
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「・・・ほほぅ。なるほど。」
そう言うと、今までホタルを攻撃していた
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「喜べお前達。葉姫はもうどうでもよくなったそうだ。どうやらこの城は、俺達伊賀の国に降服したそうだから、わざわざ姫を拐う必要もなくなった。」
時雨の任務を変わりに遂行できたと安堵したのもつかの
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「だからまぁ・・・。このまま帰るのも、つまらないからな・・・。」
・・・本能が言っている。このままでは殺される。動け・・・。動け・・・。足が・・・動かない。
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「泡沫は、どう思うだろうか・・・。自分の母親を殺した男が、今度は自分の大切な弟子達を殺したと知ったら・・・。」
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