第33話【布団の中でのコソコソ話・・・。】
【
「
【
「・・・はい。」
夜明け・・・。
【
「おはよう。ホタル。」
【ホタル】
「おはよう。
【
「あぁ・・・ありがとう、ホタル。そうそう、今日は夜嵐が来るみたいだから、夜は小屋から出てはいけないよ。」
【ホタル】
「嵐が・・・?」
【
「あぁ。森の動物達が騒いでいるんだ。安全な所へ逃げろってね。それじゃあ、皆にもそう伝えておいておくれ・・・」
【ホタル】
「うん。分かったわ。
小波が、カァーと鳴き、
ネネは、そんなホタルの様子を見て、なんと声をかけたら良いのか分からず、今日まできてしまった。
・・・・・・夕方・・・・・・
風がだんだん強くなっていき、ガタガタと小屋を揺らした。夜ご飯を食べた一平、
【ネネ】
「・・・ホタルちゃん、アタシ、これ聞いて良いのか、分からなくて今まで聞いて来なかったんだけど・・・。」
【ホタル】
「うん?なぁに?」
【ネネ】
「ホタルちゃんってさ・・・
【ホタル】
「・・・えっ!?」
ホタルは、ひどく驚いたようだった。ネネはホタルから何?言ってるの~?と笑いながら問いかけて来るのを予想していたが、ホタルはその後、暫く黙りこんでしまう。二人の間に沈黙が訪れる・・・。ネネ慌ててその場を繕おうとして言った。
【ネネ】
「あっ、いや、えーとね。なんて言うかその・・・。
【ホタル】
「・・・。何言ってるの?ネネちゃん。私は、
ホタルは、予想していたよりも穏やかな口調で言い、暗くて分からないがどこか優しげに笑ってるように思えた。
【ネネ】
「そ、そうだよね・・・。アタシったら何言ってるのかな。アハハハ・・・」
【ホタル】
「・・・うん。私は、
ホタルの声音が一瞬、ほんの一瞬、悲しげに聞こえる。
【ネネ】
「ホタルちゃん・・・?」
【ホタル】
「ネネちゃんは、一平様のこと・・・好き?」
ホタルは明るい口調で聞いてきた。
【ネネ】
「え?そりゃあ、もちろん・・・。大好き・・・」
ネネは、余計なことをホタルに聞いてしまったと思った。そのため、ホタルの質問に何事なかったかのように、答えようとしたのだが、言葉尻で不安そうな声になってしまった・・・。
・・・・・・大好き・・・・・・・・・
この言葉を口に出したネネは、自分の一平に対する気持ちを改めて自覚する。しかし、それと同時にあの時の記憶がよみがえってきてしまう。自分のせいで死んでしまった一平の姉、
【ホタル】
「ネネちゃん・・・?」
ホタルは心配そうに聞いてきた。
【ネネ】
「え?あぁ・・・そ、そりゃあ、アタシは一平様の許嫁なんだから、嫌いなわけないじゃない・・・」
彼を好きになれば、なるほど自分のことが嫌いになる。この気持ちをどうしたらいいのだろう?
誰にも言えないこの気持ちをどこにしまえばいいのだろう?
【ホタル】
「ネネちゃん・・・。」
【ネネ】
「え?何、ホタルちゃん・・・。」
【ホタル】
「何か、辛いことでも・・・あったの?」
【ネネ】
「えぇ・・・・・・!?!?!?!?」
ホタルは、心配そうな口調で聞いてくる。ホタルの確信をつくような問いかけにネネは、涙が出てきてしまった。
【ネネ】
「あれ・・・。おかしいな・・・。うぅ・・・。うぅ・・・。ごめんね。アタシ、ちょっと今日疲れちゃってるみたい・・・。」
ホタルは、そっか・・・。と一言だけつぶやくと、その後は何も言わずネネが泣き止むまで、ネネの背中を布団の上から、ポンッポンッと、まるで赤子をあやすように優しくたたき続ける。どれくらい泣き続けたのだろうか、ネネは息を整えてホタルに言った。
【ネネ】
「・・・ありがとう。ホタルちゃん・・・。」
ホタルは、ポンッポンッとし続けた手をゆっくり止めた。
【ホタル】
「・・・いいの。だって私たち、友達じゃない・・・。」
ホタルは、ネネになぜ泣いたのかと聞くことは無かった。ネネは、ホタルのその態度がとても、嬉しかった。今は正直、ホタルにすらすらとあのことを話せるほど、自分はまだ強くないと分かっていたから・・・。だから、今、自分がホタルに言えることはたった一言。
【ネネ】
「・・・ホタルちゃんが、アタシの友達で本当に良かった・・・。おやすみなさい。」
【ホタル】
「・・・おやすみなさい。明日は、久しぶりに一緒に温泉にでも行きましょう?」
ホタルはいつもと変わらない様子で言った。
【ネネ】
「・・・うん。」
夜は深まり、二人は、眠りについたのだった。
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