第26話【ネネの記憶 前編】
試験は、明日。なぜ、忍になりたいのか。答えられるか。今のアタシに・・・。この振り払えない霧がかかったようなこの気持ちのままで・・・。
聞かないといけない。あの傷のことを
【ネネ】
「
【
「ネネ・・・。どうしたんだ?」
【ネネ】
「
【
「ネネ・・・。大丈夫。それはただの夢だ。気にすることはない。だから、大丈夫。」
【ネネ】
「ありがとう。
ネネは、
【
「つっ・・・。ネネ・・・イテッ・・・」
【ネネ】
「あなたは、優しい人・・・だから、アタシにずっと何かを隠してる。アタシはそんなアナタの優しさにいつまでも甘えていてはダメよね。」
ネネは、
【
「ネ、ネネ・・・。」
その傷跡を見た瞬間、ネネは全てを思い出す。
あの日・・・
アタシは、
体の弱かった
里のお祭りは、本当に楽しくて、二人が今まで出来なかったこと沢山した。花火を見たり、ワタアメを食べたり、本当に本当に楽しかった・・・。
だけど、夕方になって人が道に溢れて来て・・・。
【
「ネネ、
【ネネ】
「アタシは、どこでも良い!どこもとっても楽しそうだから!」
【
「おぅ!今日は、にぃちゃんとねぇちゃんの初めてお祭りに来れた日なんだから、二人が行きたいところにオイラ達もついて行くぜ!」
【
「ん!なんだ、
【
「に、にぃーちゃん!!やめてぇー!がーはははは!!!あははは!くすぐってえー!!!!きゃきゃっ!きゃー!!!」
【ネネ】
「
・・・ドカっ・・・。
前から来た人に気づかずにネネは、ぶつかってしま
う。
【ネネ】
「ご、ごめんなさい!」
しかし、その人はネネに見向きもせず狭い裏道へと入って行ってしまう。
ネネは足元に、さっきの人が落としたであろう。赤いヒモのついた熊の牙。ネネはそれを拾う。
【
「ネネ、どうかしたの?」
【ネネ】
「さっき、アタシがぶつかっちゃった人が落として行ったの。」
【
「うそ!その人どこに行ったか、分かる?」
【ネネ】
「あの裏道に入って行ったわ。」
【
「しょうが、ないわね。私が届けて来てあげる。」
【
「俺も、行くよ。二人とも、ここで待ってるんだよ。」
【
「あいよ!」
【ネネ】
「ありがとう!
二人は、裏路地へと走り入って行く。しかし、入ったきり中々、戻って来ない。不思議に思った
その裏道は、人気が少なく、空が曇り出し、日が暮れてきたこともあってずいぶと暗かった。
・・・ああああああああああああああああーーーーー!!!!!!!!!!!!
突然、男の断末魔が聞こえる。その場に固まるネネと
【
「ネネ!こっちだ!」
そして、その忍の目の前には・・・。
【
「お、お願いです・・・。どうか、俺達を助けてください。」
【
「お願い!!!助けて!私たち、ここで見たこと、誰にも言わないわ!!!!」
【
「だ、大丈夫だよ。
少年の方の忍が双子に聞く。
「この祭りには、お前達だけで来たのか?」
【
「う、うん。私たちだけ・・・。」
「そうか。」と少年は呟き、少年少女に刀を向ける。
二人の悲鳴が聞こえる。
・・・・にぃちゃん!ねぇちゃん!!
・・・ネネ!?
【ネネ】
「ダメ!今出て、行ったら、
ネネは、
すると、熊の面を被った忍がこちらを見る。
「誰か・・・いるのか?」
その男はこっちへ向かって来る。
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