【第5章】大月山での修行
第17話【冬の大月山へ】
五月雨の話によれば、昔、東の里に来た甲賀の忍びが五月雨と
|小波を使ってその旨を手紙に書き、清流の里まで届けさせると、年が明けたら、本流の村に行くことができそうだとのことだった。
季節は、初雪が降る寸前のある日のこと、小屋の修繕と、敷地を修行ができる状態に整えた
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「いいか。
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「いいか。忍びが使う術は二つ。忍術と忍法だ!そして、今からお前達がこれから学ぶのは、気術を基に作られた忍びの術・・・忍術、ではなく、気を一切使わない忍法だ。」
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「え!なんで?父ちゃん達は俺たちに気術を学ぶようにって言ったんだぜ?気術を基に作られた忍術を学ぶなら分かるけど、忍法は、俺達の里の伝統剣術と同じで、気術はまったく用いてないんだろう?」
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「教えるさ、その時が来たらな。いいか、お前達。そもそも、気術とは、この世の中にある様々な気を状況に合わせて使いわけ、人間が人間の力を越えた能力を発揮し戦う術のこと。それを忍びが使えば、忍術と呼ばれ、侍が使えば、実践剣術と呼ばれる。しかし、その気術の根本は何も変わらない。簡単に人を殺すことの出来る究極殺人術。その究極殺人術を忍法ののイロハも知らない子供が知ればどうなるか・・・。
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「今のは、気を使わないで投げた手裏剣、そして・・・。」
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「す、、、。すごい!」
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「スゲー!!!!スゲー!!破壊力!半端ねぇー!」
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「そう、すごい威力だ。ただ単に、手裏剣を投げるのと、気を使って投げた手裏剣では、これほどに威力に差が出る。ま、今のは、これは忍術のごくごく一部に過ぎないがな。」
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「えーーーーー!なんでだよ師匠!俺も早く気を使えるようになりたいぜ!」
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「愚か者が!!!!」
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「今のを見て、何も感じ無かったのか。」
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「まともに手裏剣も投げれない者が、気を使って投げたら、あの威力で、的の定まらない手裏剣。どこ飛んで行くか分からない殺人ミサイルと変わりない。敵味方関係なく殺す無差別殺人事件が起こってしまう・・・。」
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「そーゆーわけだ。しばらくは、忍法の習得に勤めてもらう。つまり、体作りと忍具を扱う技術をあげるんだ。俺が今からお前達目がけて、石を投げるから、その竹筒から落ちないようにして、クナイで全部弾き返しな。あ、早く落ちた方は腕立て500回。」
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「ご、500回?ぜってぇ負けねぇーぞ!
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「・・・う・・うん。」
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「よし。それじゃあ、行くぞ!」
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「ふっ!それ!はっ!」
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「ぐふっ!がはっ!うがっ!」
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「はい。
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「あぁーーーーーもう!!!なんでだよ!」
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「兄上。筒に乗った状態で足元を見てはダメだ。遠くを見ると安定するよ。」
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「遠くかぁ、、、。」
そして、それから、何日がして。地面には何個もの長さがバラバラの竹筒が地面からつき出している。そして、
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「いいか。竹筒の、上でだけで行動し、先に相手の背中に一撃食らわせた方の勝ち。そして、試合中に竹筒から落ち時点で、落ち方の負け。負けた方は、素振り1000回。よし、始め!」
その掛け声と共に二人は、竹筒の上を跳ね動き木刀を交えながら、お互いに間合いをつめていく。
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(くそ。剣の勝負では、
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「な!何!!!」
よし!これは完全なる隙!一気に竹筒から落としてやる!
ウォオオオオオオオオオオオオオーーー!!!!
が、しかし・・・。
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「ほほう、、、。」
バタンッ!気がつくと、
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「・・・ワタシの勝ちだね。兄上。」
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「くっそーー!!!!」
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「勝負あり。二人ともよくやったな。
【
「ひぇーーー!!!!!」
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「し、師匠。1000回はちょっと、、、。今日は、朝から木刀の素振りを5000回、山の、中を駆け巡ること四時間。兄上も、もうヘトヘトです。代わりにワタシがやります。」。
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「良いんだ。俺がやるよ。
しかし
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「・・・。分かった。そしたら、500回ずつやろう。それで二人で1000回だ。」
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