第14話【失ったモノ、残ったモノ】
俺は、その小屋を焼き払った中からは、女子供の泣き叫ぶ声が暫く響き渡っていた。熱い、熱い、助けてと叫ぶ子供の声。子供だけは発狂し泣く母親の声。だが、容赦なく火は燃え上がる。そして、ついに、俺の刀から放たれた火は全てを燃やし尽くし、最期にはその場を真っ黒な砂地へと変えた・・・。
【
「これじゃあ・・・。死体は出ませんね。あんだけ、人に、説教しておいて、十分苦しませてるじゃないですか。」
【
「俺たちは、結局・・・。どんなに国を勝利に導いた英雄だと言われたところで・・・人殺しであることには、変わらない・・・。」
行くぞ。と、
【
「何してやがる?」
【
「
【
「コスモス・・・か。お前に、そんな慈悲の心があるとはな。」
仲間を守るため。だが、俺は、俺達は一体何人の仲間を、この戦で失ったんだ・・・。
そこへ、
【
「た、大変です!
【
「なんだよ。もう戦は終わっただろう?」
【高月広野】
「そ・・・。それが、只今、一角さん率いる
その場に、ただならぬ空気が落ちた。嫌な予感がする。背筋にひんやり冷たく痺れる。
【高月広野】
「
その場に、長い沈黙が落ちた。
俺は、たった一人の血の繋がった弟を失った。
何のために戦ってきたのか?
結局、戦に勝って得た物は何だったのか?
多くの仲間も弟も失って、結局何が残ったのか?
俺は戦の終結と共に、国を去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます