全人類が心を『共有』した未来での物語の『読み方』。【文書ロイドシリーズ短編(超未来編)】
春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち)
全人類が心を『共有』した未来での物語の『読み方』
「はぁ……はぁ……まだまだ
「お待ち下さい、
激しい吹雪がホワイトアウトした視界。果てない果てない【哀しみ】の
「ここは哀しみ耐性に特化した
「言いましたわよね? こういう状況の時、
「しかし、お嬢様……」
「父が遺した物語世界を
「……分かりました。できる限り気を確かに持って下さい。お嬢様が発狂しそうになれば、躊躇無く読破中止にしますので」
「いいですね!」
古参の執事でもある彼に言われては
かつてニッポンの地で起きた。
また、特定のジャンルを読もうとすると激しい拒否反応を
『物語アレルギー』に関しては、年を追うごとに1人あたりの拒否反応を
文字を捨て、【共有意識内】でコミュニケーションを営むことになった人類にとって、これは大問題でしたの。【書き手と心を共有する】『物語を読む』という【
人々は完全に
ただし、それでも読みたい物語があれば、人々は努力して耐性を身につけ、技術を磨き、物語に挑むようになったのが、
「小説執筆とは譜面を書き起こす『までの』作業である」
「
遠い昔にいた、とある大作家が言っていた言葉ですの。
同時にこうも言っていましたわ。
「
今回は演奏でいうなら
今度はエロの
そして
「さぁ、行きますわよ。このまま行けば
消耗した皆を叱咤激励し弾き進めようとする
それは、ありとあらゆる
この変化に皆耐えられなかった。発狂し、精神に不調をきたしてゆく
「ここまでですわ」
「「「「お嬢様!」」」」
「父の想いを確かめないまま、現世に戻っても仕方はありませんの。それくらいなら
緊急帰還カプセルを展開。皆を現世に帰すと、同時に。
「だぁっ、しゃあぁぁぁーーー!」
【
「読んだ(奏でた)人間によって意味が変わるような表現……しかし……これだけの感情を含めて魅せるとは、
絶体絶命の
「まったく、こんな
翼を生やした青年が。
「天使のお迎えですの?」
「ちゃうちゃう、ってツッコミ入れさせんなっ!」
「では、どちらからですの?」
「俺は『
「待って下さい!」
「MUST
「それでもなんとか」
「しゃあねぇな。今回だけ『特別』だぞ」
「感謝いたしますわ!」
彼の助けを借りて、
父との
「君の名の意味、『
それは
「失われた【文字】である【漢字】に意味を込めてまで、アンタを祝福したかったんだろうな」
「なんで、ここまで助けてくれましたの?」
「俺はただ、アンタがどういう『答え』を出すのか、興味があっただけだ」
「で、どうだ?」
「非常に気分がいいです! 父の想いを確かに受け継いだ充実感がありますの♪」
「そうか、なら、結構だ」
そういってニヤリと笑う彼の瞳には物語を憎む何かを感じましたの。
「不満そうですわね」
尋ねる
「かつて存在した【文字】という
そして、こう言い放つ。
「だから、物語はこの人類社会の『
彼の言葉に
世界は残酷で人々は物語を失ったのかもしれない。
でも、
たとえ、大罪人だと言われようとも、人の想いは止められない。
想いを込めた
読んでくださりありがとうございます
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【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典『サッカ』 ~飽和(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい!そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもまぁ!!
の拝読もヨロシクお願いします
全人類が心を『共有』した未来での物語の『読み方』。【文書ロイドシリーズ短編(超未来編)】 春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち) @harumanako-pyonkichi
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