あらすじ

あらすじVer.1

・あらすじ


 大黒寺ダイコクジツララは、妻をめとって籍を入れた。

 だが、少し年上の美人妻は……。今も11歳の姿に変身して、世界を守るためになにかと戦っているらしいのだ。

 それを承知で結婚して、二週間……二人はまだ初夜も迎えていないうぶな新婚生活を送っているのだった。


 そんなある日、突然ツララとコトナの愛の巣に来客が現れる。女子高生の四条シジョウリンカは、コトナの後輩の魔法少女だ。彼女はとある事情があって、コトナの申し出で居候することになったのだった。

 こうして、ツララの新婚生活におじゃま虫が闖入ちんにゅうしてきた。

 しかも、リンカはコトナを尊敬、心酔するあまりツララにキツい。

 それでも、大手広告代理店の契約社員としてツララは毎日忙しく働く。

 そしてツララは、魔法少女が戦う世界の敵、ディバイジャーの存在を知ってしまう。あらゆる可能性を数字で割り切って、人間に絶望を与えるディバイジャー……それを言葉の魔法、言霊法ことだまほうで鎮めてゆくのが魔法少女の仕事なのだった。


 初めて、ディバイジャーと戦うコトナやリンカを見て、魔法少女の過酷な現実を知るツララ。また、コトナが代々魔法少女の名家出身であることや、リンカに年齢と成長による力の限界、引退が迫っていることなども知る。

 なにか力になれないかと思うものの、ツララはごく普通の会社員。

 家事を率先してこなし、コトナにも甘えてくれるように言っていい雰囲気になるが……居候いそうろうのリンカの目もあって、なかなかイチャイチャできずにいた。

 そんな中、事件が起こる。

 なんと、コトナが変身を解いても11歳のままになってしまったのだ。

 どうやら、ディバイジャーの攻撃によって彼女の中の数字が狂わされてしまったらしい。


 突然、新妻にいづまが11歳の少女になってしまった。

 ますますツララは、コトナとイチャイチャできなくなってしまった。コトナは以前から積極的なのだが、今は11歳の肉体……当たり前だが、初夜はオアズケのままである。

 それでも、ドタバタした仕事とプライベートの中で、ツララは魔法少女への理解を深める。彼女たちは数字で可視化される絶望の未来を、言葉や文字の表現力で希望の可能性に塗り直してゆく。そして、身体に刻まれた紋様もんようが数字に変わる時……そのカウントがゼロになる時、魔法少女は力を失い引退するのだ。


 コトナとリンカは、新たに「戦わない魔法少女」として有名な、シスター・アウラの力を借りてディバイジャーを撃退する。同時期、ツララもまた職場の修羅場で正社員以上に働いていた。そんな中で、魔法少女の都市伝説やうわさ、そして正社員の上司が昔は魔法少女だったかもしれないとわかり、複雑な気分をこじらせてゆく。

 不安定な立場で、明日をも知れぬ雇用環境と低賃金の派遣社員。

 一方で、魔法少女には国際機関を通じて多額の補償が振り込まれていた。

 世界を守る妻と、その妻よりも低収入で頼りない自分。

 だが、元の大人に戻れたコトナは、ツララの悩みに向き合い、言葉を交わしてくれる。結果、リンカが寝静まった夜に無事、二人は初めての夜を越えることができた。

 しかし、ツララはコトナの胸に紋様が数字となって浮かんでいるのを見てしまうのだった。


 コトナに引退が迫っている。

 それはツララにとって、嬉しいことなのか、それとも悲しいことなのか。どっちにしろ、魔法少女じゃなくなってもコトナが好きだと、自分に言い聞かせるツララ。

 そんなある日、ツララは偶然シスター・アウラに街で出会う。彼女はディバイジャーと直接戦わず、魔法少女に変身して言霊法を使ったりもしない。そのことでリンカに責められていたが、彼女は自分の祈りと願い、そしてボランティア活動こそが魔法だと笑う。

 しかし、ディバイジャーが街を襲い、ツララはピンチに陥る。

 そして、アウラを助けようとするツララの行動に、とうとうアウラは変身を決意、初めて戦う姿を見せる。そんな二人を、謎の少女が監視しているのをツララは気付いてしまった。


 ここ最近の、活発なディバイジャーの跳梁跋扈ちょうりょうばっこ……その影に実は、謎の少女の存在があった。ツララが見た少女がどうやらそれらしい。

 そして驚くことに、ディバイジャーを複数操っていたのは魔法少女だった。

 その名は、白樺シラカバマイン……幼少期からずっと入院生活をしている、余命宣告を受けた少女だった。彼女は絶望の中で、魔法少女として他者の希望を助けることに疑問を持ってしまったのだ。

 自分と同じタイムリミットを、世界に突きつけようとするマイン。

 そんな彼女を、多くの魔法少女が倒そうと動き出す。だが、コトナはそんなマインを助けたいとツララに明かした。そして、ツララはそれを後押しし、リンカやアウラも協力してくれる。

 マインが呼び出した最大級の巨大ディバイジャーが暴れ出した。

 マインとコトナを話し合わせるため、最後の力を燃やし尽くして戦い、リンカは魔法を失う。そして、ツララは言葉を尽くすコトナを支え、ついにはコトナと協力してマインの魔法を封じるのだった。

 土壇場どたんばでツララの想いが、コトナに新しい魔法の杖を生み出させる。

 ツララ自身がコトナの妖精であり杖になってしまったのだ。

 二人の初めての共同作業で、無事にマインを無力化し、少し考える時間をもたせることに成功するツララとコトナ。

 そして、無事平和が戻った街でツララは、改めてコトナと結婚式を行うのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る