11るん♪ お風呂を作ります ~サバイバル生活のススメ3~
あれから河口付近まで戻って、再度上流へ向かって探索を再開して、二人して色々と見て回る。罠の仕掛けポイントとか、それの目印とか、水汲みの為に蔓ロープを張ったり、縛ったりを何回かしたから、結構疲れちゃったよ。|mjd《マジで、ホント。
そんで、あらかた作業に区切りがついたって事で、一回、
「ミヒャン、ご飯はインスタントのヤツでいいの?」
「ハイ、小川で作業すルデス。罠
ちょっ! ミヒャン博士。テンションやばくね? それに…ちゅっちゅって、超可愛すぎるっちゅーの。もう、チュウしちゃうぞ?
「わ、分かった。で、ご飯を食べてから、何を持って行けばいい?」
「てるよサンハ、お風呂道具ト着替え、オ願イデス」
「おっけーおっけー。あぁ、でも寄生虫とかは大丈夫なの? 川には、いるかもしれないって……」
「………私、Good Idea来タ、考エタデス」
「アイディア?」
「ハイ、任セテデスよー」
罠作りに使う道具と材料をちゃちゃっと纏め上げて、大きな籠の背負子って云うんだっけ? 栗拾いとかで使いそうなヤツ。それにポイポイ入れて、あらよっとって感じに楽々と背負うミヒャン……馴れてるなぁ。いやmjd。
んで私は、洗面道具とか着替えとかを入れ、背負子を担いで水汲み場となった小川に二人して向かう。でも、そこまでの途中の道を丁寧に伐採しながらだったから、太陽も大分傾いて来た頃にやっとこさっとこ到着ぅぅ。
「どうする? 先に水浴びってかお風呂にする?」
「私、罠
「大きめの石を集めてどうするの?」
「ハイ、石、焼クデス。沢山
ん~、石を焼く? 石焼き芋でも作るのかな? 芋なんてないよ? 何だろう。まぁ、ミヒャン博士がそう言うのなら輝代さん、すんげー集めちゃうよ?
で、ミヒャンが両手で輪っかを作って「コレクライデス」って言うから「ソフトボールくらいが良いの?」って聞き返すと「そうです」って。そんじゃぁ、石集め開始ししますか。
おっし! やるぜぇ~、超やるぜぇ~。でも、沢山って何個くらいなんだろう? まぁ、“沢山”って事だしぃ、取り敢えず集められるだけ集めよう。うん。
◇
もうね、石博士って自称してもいい位に輝代さんってば、すんげー数を集めたよ。その数、100個くらい? まぁ、数なんて途中から数えなくなったから、多分、そんくらいは集めた。でも、背負子に入れたら持ち上げられなかったから、結局は両手で一個一個運んだんだけど、ここでもグローブヤッホーだった。超便利、グローブヤッホー♪ ヤッホッホー♪
で、何だかんだと体を動かしてた所為か僅かに残ってた筋肉痛の痛みも気にならなくなっちゃってたし、ミヒャンがもう大丈夫って言わなかったらもっと拾って来てたと思うくらいに超集中してたよ。流石、石博士輝代さんって自信が付いた。アイアム・スト~ン・ドクタァァ!!! ドクター? いや、医者じゃないからね? 博士の方のドクターだからね? まぁ、いいや。んでね、ミヒャンはミヒャンでビニールパイプを切って何か作ってた。
「それ、罠なの?」
「ハイ、ウナギ用デス」
既に作り終わってる罠を見ると色々あって、四角く作った罠を指さして聞いてみる。
「これは?」
「コレハ、エビ用デス」
「へ~、じゃぁ、この小っこい
「エエット、コレハ魚用デス」
どうやって罠に掛けるのかアレコレと教えてくれたけど…話し半分も分かんなかった。ごめんちゃい、てへっ💛。
そこから、石を焼く為になるべく乾燥してる落ち葉を集めてくれって……輝代さん、落ち葉博士にもなっちゃうかも。やべ~、mjやべ~よ輝代さん。アイアム……落ち葉って英語でなんて言うんだっけ? えーと……葉はリーブだから……んと……落ちる……フォーリンダウン? かな……おっし! アイアム・フォーリンダウン・ドクタァァァ!!!
『てるよサン、それを言うなら
何かミヒャンが言いたそうな目をしてたけど、今は落ち葉を集めにレッツらゴー。フンフンフ~ン♪
「ロ~ンドン・ブリッチ フォーリンダ~ン、フォーリンダ~ン♪ アイアム・ドクタァ フォーリンダ~ン、フォーリンダ~ン♪」
テーマ曲もばっちり、輝代さんってばシンガーソングライターになれっかもしんないよぉ。我ながら天才? 多才? アルチってる? えへへ。
日本に帰ったらデビューしちゃおうかなぁ。
まぁ、私的にはぁ「テル・ミー。ねぇ、教えてよ」って、チョット小悪魔的なキャッチフレーズでデビューとか……やっべ~、mjやっべ~。超売れちゃってさぁ、新人賞やレコード大賞とか取っちゃって、ドラマ初主演で相手役のイケメン俳優と電撃結婚とか、mj超ヤバいんですけどぉぉ。グフフッ。
んで、結局は破局しちゃうんだけど、心機一転で本格派女優業に転身したのが功を奏して日本アカデミー賞主演女優賞受賞を機にハリウッド進出で、今度はイケメンハリウッド俳優とフォーリンラヴ的なメイクラヴっちゃってから……きゃぁぁ、mj私ってイケ女? つか、セレブ女優の仲間入り? いや~ん、どうしよう、超どうしよう。んで、オスカー賞取っちゃて。もう、人生超超勝ち組ぃって……。
「てるよサン」
はっ! ヤバッ、ちょっとイっちゃってた……今はお仕事、落ち葉集めのお仕事に集中集中っと。
「な、な、何?」
「今度ハ、コッチ来テ下サイ『てるよサン、涎垂らしてたけれど……疲れてる? それとも変な物でも拾って食べたのかな?』」
「り、りょぉかぁい」
一応、今集めてた落ち葉も一緒に持って行く。んでも、そっから、また大変な作業が待ってたよ……。
そして、ミヒャンに連れられて行った先は、水汲み場から少し下流の場所が砂地になってて。んで、そこでミヒャンが背負子から登山で使うようなスコップを二本出して、2m四方、深さ40㎝くらいの穴を離れてる所から掘っていくんだけど……なにすんの? って聞くと、石を焼く場所の横に簡易の温泉モドキを作るって事だった。
「え? 温泉作んの?
露天風呂って聞いて、私のテンションは超アゲアゲ状態になっちゃって、もうね、ガンガンやっかうよ? すげー掘るよ? めちゃくちゃ掘っちゃうよ! って思ったのは最初だけで、ガシガシと一所懸命で掘ってるのに、小川の水が後から後から入って来るもんだから、途中からイライラしながらだったけどね。ムッキィィ! でも掘り続けたたよ。
ミヒャンはミヒャンで上手に穴を掘っては、私が集め過ぎた石と、船から降ろした物資の木箱の板を使って“露天風呂”っぽくどんどんそれらを敷き詰めていく。上手いなぁ。てか、木箱何時バラしたの? で、何時持って来たの? え? 私が歌いながら落ち葉拾ってる時? うわ、まったく気が付かなかったよ。手伝わずにごめんね。で、この板が砂とかを止めてくれるんだって……ミヒャン頭脳、mjすげー。私、そんなの思いつかないよ。
だから、手伝えていない分、私もミヒャンに負けじと頑張って穴を掘って同じ風にするんだけど全然ダメダメで、結局はミヒャンが殆ど仕上げちゃった。お姉さんってば役に立たない
そっから1時間くらいかけて“露天風呂”モドキの浴槽部分が完成。で、仕上げはビニールパイプを使って、小川から水を引き込む。勿論、逃げ水用のパイプも付けた。ウナギの罠に使ってたヤツの余りかな。多分ソレ。
「おおお、どんどん水が溜まっていくねぇ。でも、水が
「今日は我慢デス。明日は水、綺麗思うデス」
「まぁ、仕方ないよね」
ふぃ~と、おでこの汗をタオルで拭いて、二人してペットボトルのお茶を飲んで一息入れた。
◇
「コレから、火ヲ点ケルデス」
「あ…ああ、うん。もう落ち葉は足りるの?」
「ハイ、沢山が沢山デス、大丈夫」
あ……夢中になり過ぎて集めてたから、すごい量になってたよ。反省、反省。
そんで、水汲み場からちょっと下流の所でミヒャンに教えて貰いながら二人して焚き木を組んで、集めた落ち葉と石と重ねて、また焚き木を組んでってな感じに石がちゃんと焼ける様にしてく。
「てるよサン、火、
手渡されてのは
「前にTVで見たことがあるよ、コレって火付け石見たいな感じで着火させるヤツだよね?」
ミヒャンはそうですよと言いながら、お手本を見せてくれる。
んで、折角着火したのに一回、火を消して、私にやってみれとソレを渡してきたから受け取って、今から『チャレンジdeファイヤー』を見せてあげっからね、ミヒャン。輝代さんの完璧振りにびっくりするといいわ。オホホホ!
んで、やっと火が付いたのは1時間後だった。………どんまい私。
「あ、あ、あるぇ? こんなはずじゃないんだけどなぁぁ。もっとこう、チャッって点く予定だったんだけどなぁ。おっかしいなぁ、きょ、きょ、今日は調子が悪かったかもしんない……ごめん、ミヒャン……お待たせ」
「てるよサン、ぐっじょぶデス」
その笑顔、眩しい、mj眩し過ぎるよミヒャン。
煙は上がるけど、火は点かず……火を点けるのって、超大変だって事が分かったよ。でも、輝代さん的にはレベルアップだよ。疲れたけど、経験は積めた筈。きっと、多分。だからレベルアップしたって事でヨロ。
テレレッテッテェ~♪
きょ、今日は練習だから、明日は絶対に一発で着火させてやるんだからね。見てなさいよ、パパってやっちゃうんだかんね。シュパパって。
作業云々かんぬんで汗だくなった私達は、結局船のシャワーは諦めて、レジャーシートと余った板で脱衣所? みないなスペースを作って、露天風呂モドキの横で身体を洗らい始めた。露天風呂には入れないけど、もち身体は洗うよ。汗ダクだったからね。
「水はちょっと冷たいけど、気温が高いからプールって感じだねぇ~」
「ハイ、明日ハ石焼イテ、オ湯出来ルデス」
ひゃっこいって感じじゃなくって、このくらいの水温なら超よゆーって言えるよ。気候も南国の熱帯っぽくて、日差しも刺すみたいで肌がピリピリしたしね。
んで、リバーでバスってるんだけど……リバーでバスって……いや、ふぇすてぃぼーの事じゃなくてね。いやいや、そっちぢゃね~よ。川で風呂だよ! ……んまぁ、そのバスってるんだけどさ、環境問題やべ~とか、環境破壊とかの文字が頭の中
兎に角、ばっちぃままで過ごせるか、キレイキレイになって美しさを蘇らせるかってぇ話しな訳よ。いい? 女の子には清潔にしておかなきゃいけない必要があんの、デリケートで繊細で敏感なところを守んなきゃなんない義務ってのがあんのよ。わかる? リア充は彼女に聞け! そうじゃない奴は………ググるか、ウィキるか、知恵袋って来い。そんでも分からなかったら………一生独身を貫け。まぁ、そんなこたぁ今更どうでもいいわ。mjd。
つーことで、髪とか身体とかゴシゴーシする。プラスチックの手桶で各ソープをあらいながすんだけど、下流に流れてく泡を見て、なんか「川ぁごめんね」って言いながらさっぱりして陽がある内に小屋カッコ仮カッコ閉じるに戻ってきた訳よ。
「やっと、さっぱり爽快になれたね~」
「ハイ、キモチイイデス」
「明日は露天風呂に入れるといいねぇ」
「ハイ」
◇
髪も乾いてきた頃、まぁ自然乾燥なんだけど、ミヒャンが「火付け」を練習しましょうって言うから昼間集めて置いた枯れ葉とか小屋を作る時にとっておいた木くずを竈もどきの穴の所に重ねて着火させる準備をして、さっきと同じ様に、ヤスリ棒とサバイバルナイフで火をおこす。
ギャキン! ………パキパキパキパキ。おお煙が出たと思ったら直ぐに火が出たよ。ちょいカンドー。
「やったぁ、今回は直ぐ点いたよ」
「ハイ、てるよサン上手デス」
うん、うん。ガリッガリッガリって3回で点いたから、慌ててモジャモジャの木くずを取ってブルンブルン回してちゃんとした火種にして、枯れ葉を被せる。
これもミヒャンに習いながらだけど、消えない様に徐々に重ねてから前もって作ってた竈の薪に火を移す。薪に着火するまでは煙の勢いが凄かったけど、ちょっとしたらパチパチと音してきて、そこから薪が徐々に燃え出したから、これで料理の火の用意は完璧のペキペキってな感じよ。
竈(レンジ部分)は私ん家と同じに三つ作ってたんだよね。ほら、色々同時に調理すれば短い時間で出来上がるじゃん? だから、最初の竈の薪に何本か火が点いたのを見計らって、そっから火の点いた薪を二本取って、残りの竈へ移していった。
まず、始めの一個目の竈は、お茶とかインスタントスープのお湯沸かし用で使う水は、とりまミネラルウォーター。
船に何百本あるんだか分からないんだけど、私が川の水を飲み水として利用出来る様になるまで、食事の水はミネラルウォーターでってなったよ。
次に二個目の竈は、船から降ろして来た鍋で、お湯を沸かして、これは小川の水(ミヒャンが煮沸処理したヤツね)で、レトルトカレーとパックご飯を二人分温め湯銭。
んで、三つ目はそれ以外用ってなってるんだけど、今日はフライパンを乗せて、おかずになる缶詰を開けて、その中身を炒めて始める。
今日はなんと、カレーライスを食べようってね。昨日とか浜辺でキャンプファイヤーッぽいのをしたから、何だかカレーが食べたくなったってのが決めてなんだよ。じゅるりんこ。
温め終わったそれぞれをお皿に盛っていくんだけど、ここでミヒャン提案の「葉っぱのお皿で食べましょうカレー」ってなって、ミヒャンが盛り付けてる間に、私は私で用意してたテーブル拭き拭きしながらワクワクどきどきしてた。
「てるよサン、お待たセデス」
で、ジャジャーンとばかりに出された葉っぱのお皿カレー。
バナナの葉だと思っていたら、芭蕉の葉ってのはミヒャンが教えてくれたんだけど。それをお皿代りに「葉っぱのお皿で食べましょうカレー」改め「サバイバルカレー」の出来上がり。もち、お湯で消毒済みよ。
「わぁお! 匂い最高、見た目もばっちしだねぇ。早く食べよ、食べよ」
「はい、食べまショ」
「いただきまぁす」
「
「おおお、美味しぃ」
「はい、トテモ美味しイデス」
美味しいと云えば? でミヒャンの「まいう~」を練習しながら夕食を終える。
「ごちそうさまでした」
「ゴチソウ…サマデシ…タ」
ミヒャンが落ち込んでいるのは「まいう~」がね……まだまだだったからね。しゃーなしよ。練習あるのみ!
◇
後片付けを終えて、今日は砂浜で星を見ながら寝ようよって提案したんだけど。水辺って朝は凄く冷え込むからやめた方がいいってミヒャンがね。まぁ、博士の言う事だから確かだろうし。実際、今日の朝も結構寒かった。満点の星空を眺めながらって、夏でも防寒しないと風邪を引くみたい。mjk。侮ってたよ浜辺。
そういえば、初日朝起きたら、毛布とか、焚火から結構な火が出て様な? あれってミヒャンがやってくれたんだろうね。あんがとね。もしかしたら、私、風邪引いてたかもだしね。
ここ二日、探索やら小屋つくりやらで体力つかって疲労が残ってるから、浜辺で寝んねはサバイバル生活に慣れるまで延期って事になって、そこからもあーだこーだって話をして、ミヒャンが言った通りに睡魔がやって来たから、今日は早いけど寝る事になった。
「ミヒャン、おやすみ」
「オヤスミナサイ、てるよサン」
◇
夜中、ゴソゴソって音がしたから目を開けて、そっちを見るとミヒャンが起きてて、荷物の中から何か出してたんだよね。
「どうしたの? ミヒャン」
「ト、トイレデス」
「そっかぁ、暗いから気を付けてね」
トイレの場所は小川の所と、小屋カッコ仮カッコ閉じるから少し離れた場所の二か所にしたんだけど、多分、近い方かな。
まぁ、私は寝る前にトイレに行ってきたから、ミヒャンが出て行くのを微睡んだ中で見送った。
「あれ? ミヒャンもさっきトイレに行かなかったっけ?」
その時は、ミヒャンの行動に対して、あんまし気にしていなかったんだけどさ、この時、ミヒャンの身体の不調に気づけなかった私は、その後、すんげー後悔する事になったんだよ。mjd。
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