7るん♪ 何事も経験が必要不可欠 ~さぁ、特訓よ~
あれやこれやと楽しい倉庫漁りだったけれど、正直めんどい、怠い、勘弁して下さいってくらいに重労働で、二人して「あいごー、あいごー」と愚痴りながらも台風が去って3日後に、やっとこさ島に上陸したんだよ、やっとね。もし船の中にシャワーが無かったら発狂してたわ私。いやいやいや
んでも、見上げた空は快晴っちゅー、所謂一つの台風一家? 台風一過? あれどっちだっけ……前に
んで、目の前に広がる入り江と白い砂浜……は、漂流物がスンゲー……折角のビーチが台無しじゃん!
つかハングル文字のペットボトルと漢字のペットボトルが圧倒的に多い……あ、ミヒャン、悲しそうな顔して、拾い始める。
色とかデザイン? から見てコーラっては分かる、漢字では“可口可乐”って書くんだ。へーこっちはハングル文字の
こうやって海を掃除してっと偶に思うのがさ、イルカ大事とかクジラ大事とか莫迦阿呆みたいに騒いでるボンクラ共が私達みたいにクリーン活動すれば、少しくらいはマシに見られるんじゃね? って考えちゃうんだけど。私からしたら、有り得ないって感じかな。何かカルト宗教っぽくて苦手だし、怖い。大学でも同じゼミの子が「真瀬さんって宗教とかどう思う?」って言ってきたりするし、コンパの時だって「こんど来て欲しい会合があるんですけど、出席しませんか?」なんて言ってて、その子に気がある奴が行ったって聞いて、何となく後から聞いた話じゃ、だだっ広い仏間でお経あげて、その後数人に囲まれて入信したらこんな奇跡があるとか、あんないい事が身に起こりますよとかで、断るに断れず入信用紙に名前とか住所とか書いちゃって、入信しちゃったって聞いたときは、気持ち悪いって思ったよ。つか友達の振りして宗教勧誘とかmj氏ねって思ったわ。
それと前に“ようつべ”の動画で西部ダディーって人が色々意見してんの視て、な~る、って納得した事があったから、それの影響なのか分かんないんだけど。
双眼鏡もって「私達はイルカが酷い目に遭わないよう見張ってます」とか説得力ネェ~。って思った。
んだって、あーゆー奴らって基本無職っしょ? 内定貰うのに只管苦労した日本の大学生からしたらニート以上のクズって思う。何でかってゆーと、他人のお金、寄付つー便利な単語表現してっけど、mjd労働もせず、税金すら払わず、双眼鏡片手にサンドイッチ齧ってて生活出来るなんて穀潰し以下の所業よね。
TVでしか見たことないけど、フィリピンの少女がゴミの山から資源掘り起こして家族を養ってるとかのシーンを視て、超ガン泣きしたんだかんね、私。
9歳くらいの少女が必死になって労働してんのに、寄付でノウノウと双眼鏡や船に乗って人の迷惑ばっか掛けてるカス共の話とか聞くと、イラッってくるわ。mjd。
極めつけは、滞在している街でドロボーとかしてんだもんね。ちょー救えねぇ。それもトイレットペーパーだって知った時、涙が出る程笑っちゃった。アハハッ。
な~んて考え事をしながらゴミを拾うけど……減らね~。つか、ミヒャンさん。何時までやんの? コレ。
いい加減、腰が痛くなってきたから。ん~って腰伸ばした私の視界に入ったのが、マイシップ。ウィーシップ? まぁ~、どっちでもいいや。
で、船が停泊? 突っ込んだって言った方が正解なんだけど……よくもまぁ無事だったわ私達って感想を言っておくわ。船体の傷っての大きな穴を見つけた時は、日頃は感謝したこともない神様って存在に感謝したよ。神様って言ってもさ、私、無宗教みたいなもんだから、テケトーに手をパンパンして空に拝んでおいた。
「神様、あんがとねぇぇ。mjd、助かったよぉ」
入り江の入り口は低い崖に囲まれている感じになってて、その内側を砂浜がCの文字みたいになってた。
でねでね、海ちょーキレイでさぁ、テンション上がっちゃったよ。元々沖縄で泳ぐつもりの旅だったから……まぁ、海に落ちて、拾われて、襲われかけて、遭難して、何とかこの島にたどり着けた。だから、今はここで泳いでもいいよね? ね? ってミヒャンに言ったら“どうぞ”って、なんて優しい子なんだろう。
そんで、ダッシュで操舵室に戻って、密輸品から見つけて用意しておいた水着に着替え……様としたら引きつった顔で“ゴミを拾い終わった後で泳いで下さい”だって……なんてひどい子だよぉぉ、ここでお預けなんて………はい、分かってるってば、浜辺の掃除とか、島の探索が先って事でしょ、ハイハイ、行きますよ。行くから水着のパンツ引っ張んないで、見えちゃうってばぁぁ、やめれぇ~。ミヒャンのエッチ、スケベ、変態ぃぃぃ。
◇
浜辺のゴミ拾いもそこそこにして、寝床になる様な場所を探しに行こうとなったわけ。
いじけてた私は、砂浜に後ろ髪を引かれながら、錨型の肩でノシノシ歩いていくミヒャンの後ろをトボトボと付いていく。
さっきどうぞって言ったのは、休んで下さいって意味だったんだって……んならはっきし言えっての。……海ぃぃ、私の砂浜ぁぁぁ、……で、まだまだ沢山の漂流物。浜辺の30パーくらいは、ゴミ散乱してっけどね……オアズケ超ショック。
◇
そんで、やっと見っけたキャンプ候補地。
つかさ、森の中なんて歩いたことのない私は既にグロッキー状態で降参したいメンタルのいっぱいだったんだけど、それをミヒャンが許してくれる事も無ぁく。私が粛々と周辺の雑草を刈りと、その後からミヒャンが整地作業みたいな事をしてた。たまに横になったりして寝心地の具合を確かめてるって言ってたよ。そんでテントを張るのって、地面が斜めってたりすると寝辛いんだって。へ~、知らなかったよ。ってmjk!
それから少しだけ周辺に溝みたいなのを掘り始め、ミヒャンが説明をしだす。これは虫除けとか、周りに溝を掘って雨が降った時の雨水の通り道にするとか。つか、ちょっとばかし休憩欲しいんだけどダメ? ……あ、はい、もうちっとガンバリマス…あいごー!
おしっ! あいごー、使ったよぉぉ。
下準備的な労働をヒーヒー言いながらなんとか
私は私で彼女の指示で草刈りを続けてんだけどさ……mjd休ませてよ、お願いだから。ぷりーず・へるぷ・みぃ。
それから淡々と言われた作業してたら暫くして、ミヒャンが私を呼ぶもんだから“すわっ!何事か”って声のする方へ行くと、そこには大量に切られた丸太ん棒……私の太もも位の太さのね……つーか、コレ運べってか……。
「てるよサン、コノ木、家
「……りょ」
んで、手渡された軍手を嵌めて、ミヒャンと二人で20本はあるかもしんない丸太をエッコラエッコラとキャンプ予定地に持っていった……誰か助けれぇぇ。んなへるぷみーな叫びもここでは有効じゃないってのも分かってる。うぅぅ、mjd勘弁してよぉぉぉ。
半泣きだった私に“文句垂れてないで、さっさとやるぅぅ!”的な眼光で急かすんだよ、この辛々娘さんは……色んな意味で激辛なんだけどぉ? もーちょっと甘くしてもいいじゃんさぁぁ……鞭だけだったら人はヤバめな思考に行っちゃうよぉ……。あまぁい甘い飴をぎぶみぃだよ?
「訳、後デ話すマスダカラ。てるよサン、少シ我慢、
ブー垂れている私を叱咤するミヒャンを恨めしく見ると……彼女も汗だくのダクダクで、ちょー疲れてるのがアリアリの真っ盛り状態だった。
んでも、アイやっちゃうよ?(ユーやっちゃいなよの反対版ね)と目ヂカラがパなかったっす……mjdこの娘すげぇわ。
そっから何時間掛ったか分かんないんだけど、何とか
「あいごー」
「
「「あははははは」」
疲れたよ……
いい加減休憩したいよ~と
ペタリとその場にしゃがみ込んだ私の頬にピトッと何かが当たる感触。ふと見上げると、疲れた感じはするんだけど、笑顔のミヒャンが水の入ったペットボトルを私の頬にくっつけてた。
「あんがと…ふぃ~、生き返るぅぅ。ざ・りぼーんって感じ」
キャップを開けて一気に飲み干そうとしたんだけど……過去に思いっき
「ふ~、結構な量だったか、もう疲れちゃって動けないからね?」
「ハイ、てるよサン、休む
「いやいやいやいや、ミヒャンも一緒に休憩しよ~。時間的にご飯食べ食べタイムなはずだよぉ」
「食事……ハイ、大切、分カるマス。一緒ニ食事デス」
「よっしゃ~、ご飯食べよ、ご飯」
◇
「ふふふん♪ ふふふん♪ ふっふっふ~ん♪」
mjd、疲れてたんだけど、重い体をよっこらっせと掛け声をして立ち上がる。
「んじゃ、用意しよう」
「ハイ、ゴ飯…パ…ハングル、ゴ飯、『ぱ』言イマス」
パ? っとサイデ……と過ったけど、タハハ。亞聖さんに怒られそうだし、やめとこ。
でも、韓国語って面白いかもしんない…と思いはするんだけど。多分、ん~90%覚えないや…うん、使うところ無いと思うしね。助かって、もし旅をするなら電車オンリーって決めちゃったし。飛行機は元々無理だし、んで、今回の船旅で海にって……もうね、旅は安全が一番よ。海外とかそんなもんはブルジョア気取ってる人達が行きゃぁいいのよ。私は行かないし。
そんな思考の寄り道をしている私の横でミヒャンは「オカン」の様にテキパキと慣れた手付きで、ご飯の準備を始めてた。あざ~っすミヒャンさん。
◇
「いただきま~す」
「
今回は目、大丈夫だったから、味を楽しみながら食べれたんだけど。どしよ…次回からは別っこで食べようかと提案しよーかなぁ。食事の
「…ミヒャン」
「ハイ、用事デスカ?」
「いや、用事とかじゃないんだけど……ちと辛いのは控え目にして欲しいかなぁってね。正直、私の目と鼻が超ヤバ状態に
「……ゴメンナサイ」
あからさまに凹んじゃってるミヒャンには悪いんだけど、もう無理っぽなんだよ私。譲れないモノはハッキリと前もって言っとかなきゃね。ごめんね。
「分リマすタ」
気を取り直して、もっかい「いただきま~す」する。お腹がヤバ目ってくらい減ったから、二人してハムスターみたいなホッペになってモキュモキュしながら食べた。
「まいう~」
「マイウ…デスカ?」
「うん、まいう~。ほれ、ミヒャンも真似してみ」
「マ、マイ……ウ?」
「ん~、まいう~って顔になってないなぁミヒャンさん。つか、それは…( ゚Д゚)だよ。まいう~はね、( *´艸`)って顔だかんね。覚えておく様に」
「……ハイ、頑張ル、ダカラ」
「ちっがぁぁう!(;゚Д゚)じゃない、( *´艸`)よ! これ( *´艸`)。
……だから、(。´・ω・)んな顔しない!
( *´艸`)コレよ( *´艸`)コレ!わかる?
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾ホレホレやってみ? 1っ2っ3っ! はいっ ( *´艸`)まいう~、」
「(てるよサン、勘弁して)…ハ、ハイ。( *´屮Д屮`)マ、マ、マイウ~」
「ん~……まだДっぽさが残ってるけど。…まぁ、及第点かな。でも、完璧には程遠いから、これから毎食“まいう~”の練習しようね?」
「(うわ、マジ?)……ド、ドウシテデスカ?」
「その方が、ご飯美味しく感じるって事よ」
「(私は美味しく感じないと思う、
「うん、そうそう。まいう~( *´艸`)ね」
「…ハイ、( *´屮Д屮`)マ、マ、マイウ~」
「まだまだね…」
「ゴメンナサイ、デス」
「いいってば、これから、これからだからね」
「……ハイ、ヤリ(たく無い)マス」
どうやら、ミヒャンも“まいう~”気に入った感じでよかったぁ。うんうん、練習っきゃないよね。
「ささ、ご飯、残ってるよ。食べちゃおう、ついでに“まいう~”の練習もしよーね」
「(これは、丸太運びの仕返しなのかな)レ、レ、レンシュウシマス、ダカラ」
「まいう~( *´艸`)」
「( *´屮Д屮`)マ、マイウ~」
「もう一回、まいう~( *´艸`)」
「( *´屮Д屮`)マ、マイウ~」
「だめだめ、恥じらいが残ってるよ、ほらっ。まいう~( *´艸`)」
「( *´屮Д屮`)マ、マイウ…ゥゥゥゥ、グスン」
「まいう~( *´艸`)」
「( *´屮Д屮`)マ、マイウ~」
「まいう~( *´艸`)」
「( *´屮Д屮`)マ、マイウ~」
「まい……」
「マ………」
「ま……」
「………」
◇
「ごちそうさまでした」
「
遅めの昼食後は、疲労が残っている所為もあって、ぷち休憩してからって事にした。
気のせいか、ミヒャンも結構疲れてちゃってたんだ。さっきまで平気な顔して丸太運んでたのはカラ元気ちゅーことだったのかぁ。彼女、無理しちゃうタイプだから、私が気遣ってあげないとね。うん、一応、私の方がお姉さんだしね。
休憩中に晩御飯の話を始めたんだけど、ミヒャンは多分疲れて食べないで寝るかもしれないとか言ってた。大丈夫かなぁ、でも私がちゃんと食べさせてあげっからね。それと“まいう~”もマスターさせっからね。すると、ブルッっとしたミヒャン。
ん~、体調崩したのかな……よ~しっ! 晩御飯は体調不良も吹き飛ばせるくらいのご飯と“まいう~”で元気超100倍にしてやっからね。
「(悪寒がします)……(これから何の作業をするか、言わない方がいいかな)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます