3るん♪ 女だてらに戦って、逃げて戦って ~なんとかなるっしょ~
よし、一人目は何とかやっつけるに成功したって事は、私に運気は傾いていると思っていいかな?つか、私有利、怖いものは……うん、やっぱ怖いけど女は度胸って云うじゃない、だからさ「勝利は私の為にある!」ってモチベが大事なのよ。ってワケでネガるよか、ポジってキバってエイエイオーってやつね。
とりま、残りのターゲットの確認といっちゃいますか。
◇
『
私のいる場所から一番離れている方? かな、甲高い声の男が大声で叫んでいる。こいつは、
『
やや近い外から低い声がした。…こいつは、
『
ヤバッ、一番近くの扉の向こうから、ガラガラ声がやって来る。…やつは、
さっき簀巻きにした男は
鉄をやつっける事が出来て、ちょーっち自信が湧いてきたって、いい感じになってきたしね。うっし!
『
銅が何か言ってる………分かりたくもないけどね。まぁ、こいつらの言葉は分からないけど、予想はつく。
『
銀の声………なんだか気色悪い。キモッ、
『
一番、近くにいるのは………銅だから…まずはコイツから退治しなきゃ…かな。
鉄を撃退して船内を移動する私は、道中? 思っていたより意外と広い船内で罠になりそうなモノを探しつつ、幾つかのモノをゲッチュッして、今は通路の上の配管の上に潜んでるんだけど、ちょっとスタローンさんをイメージして、なんとか登って、待ち伏せ状態の私。
『割と、人は上って見ない』前~に、TV番組で視たのを思い出したんだよね、私。それを不意に思い出しちゃうのって機転が利く賢い美女の本領発揮よ。うがぁ~お。
まぁ、登る時に痕跡は
でも、本当は
んでね、部屋を移動しながら隠れる前に見つけたのは、粉末状の唐辛子の袋が詰め込まれた木箱、それも大量にあったんだよねコレが。
ただ、ハングル文字は読めなかったけど、写真があったから「唐辛子」だと分かったし、その袋を人数分、3袋持ってきたんだけど、重ひ……一つ1㎏って書いてあったから最初は一つだけと手を伸ばしかけた時に『一人で一袋を使い切ったらアウトじゃね?』って3袋を小脇に抱えた。……おもひ。
それと折り畳み式の警棒みたいなのを見つけたから、これもゲッツッした。取り敢えずコレも3本確保。
船倉って云うの? その倉庫的な所には色々と物が置かれていて、ハングル文字に英語でPhilippinesとか文字も見えたから。まぁ、フィリピン
そっから別の箱漁って見つけたマスクや手袋とゴーグル……なんでこんなの迄あるんだろ? まっいっか、どっちにしろ使っちゃう物なんだから、考えたって分かんないし、で、それらを、これまた見っけた小さなリュックに、さっきの
そんで、よいしょと背負った時、脳裏に『密輸』と云う二文字が浮かぶ。……これってアウトじゃん。こいつら悪人?
通りで、ノーノーとか云って腕でバッテン作って入っちゃいけないって追い返されたのはコレ
そんなこんなで船倉から、色々持ち出して来たってワケ。そんで私の作戦は、これを顔面にぶっかけての奇襲&警棒でシバキつつ、船べりに置いてあった空の木箱まで追いやり、箱の中に押し込んで、閉じ込めてミッションコンプリートって算段。んな作戦を考えて潜んでいるのがココ。狭い通路……そこから一番近い場所の待ち伏せが私の現在位置なのよ。
奴等に見つからない様コソコソしながら見つけた船倉には沢山の段ボールや木箱が積んであって、全部は見れてらんなかったから見てないけど、物資を漁ってイソイソと移動しながらココに来るまで考えてたんだけど、あれ全部『密輸品』だ! と分かっちゃったんだよね。
だからさ、粗方カタが付いたら逃げる前に、これ等を拝借しちゃおうかなぁって、少しだけでもいいから、いいや、必要最低限のモノは
しか~し、、しかしだよ? 欲を出して失敗なんて、どの物語にもオヤクソク的要素だから。ここは無視を貫いて、撃退に必要な粉唐辛子の袋と、若干
今は、戦いの最中。欲張ったらダメと自分に言い聞かせて、先に目の前の脅威を排除しなきゃね。JDだって、やる時きゃやるんだからぁねっ!
おおっと、いけないいけな~い、また脱線しかけちゃった。
ま、まぁ、そうゆーことで、一時避難。
そんで、天才美女の私ってば、ボトルの水を少し飲みながら気が付く。
「……この中にパウター入れた方が自己被害無くね?」
隠れ潜んでる配管の上に用意していた袋を手に取って、切り口からボトルの中へパウダーをこぼさない様に入れていく。
「ハ、ハ、ハック……ッ」
危ない、危ない。くしゃみ……我慢出来たけど………鼻、超いったぁぁぁい。グスン。
おし! これでパウダー攻撃から、ホットハイドロポンプ攻撃にクラスチェンジ。勝つ! 私、確実に勝つ! フフフだよ、フフフ。
で、息を潜ませ敵が近づくのを待つ。
「…………」
◇
「
銅の声が近づいてくる。
丁度、私の頭が向いている方から。つか、足元の方からじゃなくて良かったと一瞬ホッとしたよ。
足元から来た場合、相手の顔、特に目にタバスコ水を掛ける事が難しくなったと思うしね。でも、こればっかりは賭けだから仕方ないっちゃぁ仕方ない。けど、今の私には運があるって思えたから万事オッケー、ノープロブレムじゃん?
そんで、何も知らずに私が潜む配管の下へ来たタイミングで、ヤツにコレをぶっ掛けて、降り際にキック一発お見舞いしたかったけど……出来なかったから降りてからキックした。顔が赤いのは仕方ない。うん、仕方ない……うぅ、ハズい。
「
銅は悲鳴を上げ、目を擦りながら左右通路の壁に体を打ち付けて苦しみに悶絶してる。
ちっ! 格好よく降りる時のケリは出来なかったけど、結果オーライ。で、速攻、ふらついてるヤツの背中目掛けショルダータックルで船外への扉に押し出すことに成功! イェ~イ!
「
箱まであと少しと云う所で、船が揺れた影響で、銅のヤツは海へ……ポチャン。
「へ? あああ……ヤバイヤバイ、溺れ死になんて事になっちゃったら目覚めが悪いっちゅ~の!」
慌てて近くにあった木の浮き輪をヤツに投げたんだけど、あれよあれよと潮に流され小さくなっていく。
まぁ、私が投げた木の浮き輪を掴んでたから大丈夫っしょ……だ、大丈夫…だよね? うん、大丈夫大丈夫、そうしとこう。晴れているし、そんなに海、荒れてないし、運が良ければ何処かの密輸船にでも助けて貰えるはず。頑張れ、銅。
して、銅の悲鳴を聞きつけたのか、船首の方から金と銀が怒鳴りながらこっちに向かってくるのが見えた。
「銅よか、私の方がヤバイって~の!」
うきゃぁぁぁ、逃げなきゃ逃げなきゃ。
さっき隠れてた場所に登る余裕がないから船尾方向へ私は一目散に逃げる。
「ひゃいぃぃぃぃぃ、急げ急げ急げ、私」
船の揺れに若干ふぇすてぃぼー的な感覚が込み上げてきたけど、んな
二人同時か…手にしているボトルには、まだタバスコ水が残ってるし何とかなるかも。つか、何とかしなきゃなんない。
んで、待つこと30秒くらい? 二人と思ったら金の怒鳴り声だけがする。
今、私が隠れてるのは、開かれた鉄扉の裏側で蝶番の所から金が来るのが見えた。あれ? 銀がいないよ?
回り込むために別行動なのかなぁ? と思った瞬間に金が仕切りに足を入れた。
『今だ!』
全身使って思いっきりドアを閉める様に力を込めた。
「
ゴキッと何かが折れる様な音と共に金の悲鳴。ドアに挟まれたヤツの足の骨が折れた音だと直感で理解。
んで、ボトルの蓋を開けて、そんでドアを開けると痛みに
「
で、目の痛みが酷かったのか、足の痛みを忘れたのか、両手で目を抑えて立ち上がった金は、銅と同じ様に海へ落ちていく。
「…………」
なんとなぁく予感はしてたからね、私。
直ぐに、木の浮き輪を探すんだけど無かったから、縄が巻かれた大きな発泡スチロールを掴んでヤツに投げる。
運が良ければ助かるでしょ。落ちたヤツより姿の見えない銀の存在が、私の良心を麻痺させ、心は完全にターミネーター。
んだけど『あいるびーばっく』なんて思わない。出来れば二度と会いたくない。どっちかって~と『あすたらびすた、べいびー』かな。
女の私からしたら『べいびー』は変だから『ふぁっきん・がいず』かな。
あ、なんだろな? 余裕が出てきた? なんて事は、ありゃしない。只、パニクってるって判ってるわ。フン!
で、残るは銀だけ………と周りを見渡した瞬間。
水面で、もがいている銀が視界に入る。
「
「………」
私は無言のまま、金に投げたのと同じ発泡スチロールをヤツ目掛けぶん投げるだけだった。
つーか、銀の自滅で助かったって云っちゃぁ、mj助かったけどさ……い、生き伸びて欲しいと心の中で祈った。達者でね、南無~。
手を合わせて、奴等の無事を3%くらい祈ってたんだけど、船外は危険だと思って船内に入った時、最初にボコった【鉄】の存在を思い出す。
「………どうしよ」
残すは、奴の処遇……それに問題は他にもあったんだよ。はぁ、
「た、助かったけど……私、船の
と、と、とと兎も角、鉄の事は後々考えるつーことで、ヨタヨタと操舵室へ向かう私の耳に
「
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