小ネタ16 (パルシファル王の誤算)
(※ 引き続き【第21章 星の塔 予言者の仮面の裏に】 から)
「さあ アルド 受け取りなさい。このジオメタルを……。おまえ達の冒険と 世界の明日のために。」
クロノス博士が、星の塔の最上階にやってきたアルドに【原初の貴石】と【ジオメタル】を渡す。そしてアルドが、クロノスの手からそれらを受け取る。
………ここで、クロノス博士の役割は、終わりだ。
そして
役目を終えた
クロノス博士の身に――――――――――
―――――何も、起きなかった。
「あれ、おかしいな……」
「ですよね博士………。台本だと、確か……」
「ああ、この後は裏口……宮殿の宝箱の置いてある地下牢からやって来た、パルシファル王が突如背後に現れて」
「で、博士を後ろから聖剣でバッサリと―ーーーーって流れだったはずなのに…‥‥来ないですね……」
「来ないわね……」
「来ないでござるな……」
「来マセンネ……」
「……何やってんだ、あのオッサンは。おい、ガリア―ド2世、ちょっと後ろ行って見てきてくれ」
「かしこまりました博士」
「じょぜんゴヒューッ! 全て! ゼヒュー! ゲッフ!ゴホッ!ブっ! 夢げぼっ 幻の…グバっ! ヒッヒッ………ヒフ―――っ!! 」
「連れてきましたよ博士。6階途中の階段で、ぶっ倒れてました」
「あー、まあ、老齢に片足突っ込んでる人が、パルシファルからここまでの距離を………一人で手漕ぎトロッコをキコキコキコキコ運転して」
「塔のてっぺん……9階でしたよね。ここまで駆けのぼろうとしたら、そりゃこうなりますよねー」
「給水ポイントとか、作ってあげとけば良かったわね……」
「白目剥イテマスネ……。無理ハ厳禁トするベキデシタ!」
「ギッフ! ゲッ! ゴホホホッ!ゴホッ!…終わっグボアっ……た! ………ガクリ………」
「パルシファル王 お気を確かに! 目を覚まされるでござる! (原文ママ)」
(心臓破り。おじいちゃん無理したらあかんよ。
映画やゲームだと、えらい高速で走っているトロッコですが……今までどういう仕組みで動いているか知らなかったのです。ノデ調べてみたのですが、自転車のペダルと似たような仕組みで動いていたんですね。普段、クロノス博士とパルシファル王と二人でキコキコ呼吸を合わせて運転してんでしょうか………)
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