小ネタ15 (クロノスの見落とし)
(※ 【第21章 星の塔 予言者の仮面の裏に】 から)
「星の塔に来なさい アルド。おまえに渡したいものがある。次元の渦に突入する方法も その時に教えよう。ただし おまえ達の手に入れた面白い乗り物では 星の塔には近寄らないでもらいたい。あの艦から発せられる 様々な電磁波が 塔にどんな影響を与えるものか 未知数なのでね。」
「あッ! 待ってくれ!」
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◆◆古代 星の塔 最上階◆◆
(―――――さて、アルド達が来る前に用意を済ませないとな)
この星の塔にまもなく、先ほど呼びつけた息子が――――今はアルドと名乗っている、息子のエデンが――――やって来るのだ。
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私は、机に置かれていた鈴を手にもってチリンチリンと鳴らした。ガリア―ド2世を呼び出して、アルドに渡すための【原初の貴石】と【ジオメタル】を用意させるために。
「お呼びでしょうか。クロノス博士」
「ああ。もうすぐ私の息子が【原初の貴石】と【ジオメタル】を取りに来る。だからそれを、ここに持ってきてくれ。」
「かしこまりました。…………息子…さん?」
「そうだよガリア―ド2世。今はアルドと名乗ってはいるが、息子のエデンが成長してこの時代に来ていたのだ。確かにあれは、私の子だと…決して私の脳裏から離れる事の無かった、幼い頃のエデンの、その面影が教えてくれたよ」
「博士……とうとう、ご家族との再会を果たされたのですね。本当によかったです。では……持ってきます」
そう言ってガリア―ド二世は、奥の部屋まで歩いて行った。
これで私が、
これで………私に出来る事は、もう何も無い。
息子の、アルドのために可能な限りの万難を排するよう私は尽くしてきた。
あとは、彼に、アルド……否、我が子のエデンに、全てを、この星の未来を任せよう。
私の起こした歴史改変の波を乗り越えて――――やって来るエデンに。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………何だ。…………………………何かが……おかしい………。
この違和感は、一体…………何だ。
何だというのだ………。
何か、心の奥底がざらつくような違和感を感じる。
………大事な事を―――忘れているような―――――
一体、私は、何を、忘れて――――――――――
何だというのだ。
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もうすぐ、息子が、エデンがここに来るというのに……。
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この、何かを見落としているような感じは……
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………………気が付くと私は、頭の
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チリンチリンと澄んだ音色が周囲に響く。
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私は鈴を鳴らす手を止めない。
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金属の掠り合う音が、何かを思い出させてくれるような気がしたのだから………。
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◆◆古代 星の塔 7F◆◆
「あーもう!! 全然先に進めないじゃない、この塔!! そもそも大体試薬のKとかCとか、いったい何なのっ! どれ使えば上手く進めるのか、さっぱりイメージ湧かないし! クロノス博士、本当に貴方のお父さんなのっ!?」
「エイミ………ああ、そうだな! 道中に御丁寧にFEARまで配置しているし!! 正直なところ今オレ、『これが16年もの間、生き別れていたはずの息子を誘う場所なのかよ!』って思っているよ!!!」
「思い起こせばあの御仁……時の塔もそうであったが、『一つの道を通れるようにすると、別の道が通れなくなる』という
「………ワタシの中にあるマドカ博士のメモリーが、『こういうところ全く気が利かないのよね。あの人は』と囁イテマス!! ソモソモ、コンナトコロに呼びつけらレル必要性ハ皆無デス! 」
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◆◆古代 星の塔 最上階◆◆
「クロノス博士、【原初の貴石】と【ジオメタル】そこに置いておきますね。……それにしても、息子さん達、やけに遅くありませんか?」
「あ………。そういえば、ここの裏口の鍵、渡しておくの忘れてた。…………………ま、いっかあ」
(ダンジョンで待ち合わせをするのは間違っているだろうか。某サイトのコメント欄見たら、このダンジョンがあまりにも評判悪くて……分かる 。試薬の名前はキロスとセシルとエデンとマドカの頭文字から来てるんでしょうか? 情緒はありますが、できれば効果と関係ある試薬名にしてくれればよかったなあと思います……)
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