小ネタ9 (Another "PROSPER HILL" story on the moon)
※ 西方外典 (剣の唄と失楽の翼) の重大なネタバレが含まれます。西方外典クリア推奨です。
※ 西方外典第10話の過去話、狂ったシュナウド皇が、メリナを手にかけた辺りのお話です。
……楽園は失われた。
私は 取り返しのつかない罪を
背負ったのだろう。
……だが 後悔はない。
救うべきものを救い 殺すべきものを殺す……
私は自らの意思で 選択したのだから。
~アナザーエデン 西方外典 (剣の唄と失楽の翼) 開幕、クラルテのモノローグより~
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「陛下……いや……テユール・シュナウド! 私は あなたを許さない……! 何があろうと この私だけは……!」
息絶えたメリナの傍らに立つ
それと同時にクラルテの体が輝いた。
クラルテの中に存在するαジオが、莫大なエネルギーを生み始めたのだ。
「馬鹿な……!? 皇帝令への抵抗のみならず…… 出来損ないのαジオの分際で、時層への干渉を 試みるつもりか!?」
シュナウド皇が凶行に及ぶ前の、別時層へ向かえば手立てはある。
命の灯が消えたメリナを救うために、クラルテは時層を渡る決意をした。
だが、しかし……
「そのような無茶を 重ねれば 最悪の場合 メナス化もあり得る……!」
「――――――っ!!」
皇帝から言い放たれたメナスという言葉に、クラルテは戸惑う。
メナス。
それは、力に飲まれた成れの果て。
異形の姿と化し、世界に闇と混沌を振りまく狂気の存在となった者。
不完全なαジオの力と時層の移動に、この身が耐え切れる公算は無い。
確実にクラルテは、ウラノス・メナスと成ってしまうだろう。
そして放たれる終焉の光は、容赦なく月を滅ぼす事になる。
「………………。」
メリナの生命と引き換えるために、月の大地に生きる
「何故だっ!! あの
逡巡するクラルテを余所に、シュナウドはさらに言葉を続ける。
「どのような理由でお前は動いているのだ!? ……………そうか! 分かったぞ! それは、あの娘が、あの羽無し娘だけが―――――――」
「―――――お前の名前が【盛岡フォルトゥナ ゴンザレス松井ゴチバト借金王!】に決まりそうだった時に、あの
「は…‥……?」
「あの、シュナウド……皇。それは一体どのような事があった………のでしょうか?」
「よかろう…。 寛大なる余が教えてやる。ジオ・エレメントα版……つまり、お前のことだが……その完成発表の際に、名前を公募して国民全員にアンケートを取ったのだ。」
「…………へぇー。」
「そうしたら【盛岡フォルトゥナ ゴンザレス松井ゴチバト借金王!】が、お前の名前候補としてぶっちぎりの一位となってな。あと、
「………‥うわー。」
「ゆえに月の民満場一致で【盛岡フォルトゥナ ゴンザレス松井ゴチバト借金王!】に決まる。その直前になって、あの
「…………ふーん。」
「因みに【盛岡フ (略)】の名の発案者は、オスロ―博士だったらしいが…………どうした? 羽無し娘の従者よ?」
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ほう。」
「そんなわけで私は心置きなくメナス化して、おバカな月の民を一人残らず消し去ってやったのだけれど………軽蔑するかい? アルド。」
「よく
(なんだこれ。まあ、クラルテもまた、【アナザーエデン】ということで。その昔、キャラクター人気投票が開催されたときに、ネットの悪ふざけによって変なキャラが一位になるとかありましたね。自分で書いといて何だけど、借金王は無いんじゃないかな……さすがに。)
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