#08 症状
「
何か声が聞こえて、テレパシーをやめ、意識を戻す。
「あぁ。ごめんなさい。どうしたんですか?」
「症状の説明をしますので、こちらの方にお願いします。」
と、診察室の方に促される。
*
診察室には、いろんなものが貼ってあった。彼女の体の状態やX線写真、症状の一覧表や、異常状態の説明書等等、さまざまな紙が貼られている。
「はい。えーと、彼女さんのことなんだけど。まず能力持ってるの知っているよね?」
「は…はい。知ってます。」
「わかった。ok。じゃ症状についてなんだけど。“メカニカラー”の機械での生命力の低下と、衰弱だね。」
「…。」
いきなり情報量が多い。わからないのがたくさんある。
「ちょっと待ってくださいね...。」
テレパシーを繋ぐ。
『解説してくれ。』
『え〜。めんど。』
「大丈夫かい?」
「ああ。大丈夫です。続けてください。」
『メカニカラーは機械製の能力を作っている組織です。全部番号がついていて、GPS機能も付いていて、結構高性能なはず。』
「まず、能力を使用したときに消費した生命力は、13%。全体の1割ほどね。で…彼女さんが今まで、能力をどれだけ使ったかわかる?」
「えと…わかりません。」
「今までに使ったのは、3割程。生命力は回復するのはかなり遅いから、残っているのは5〜6割ね。」
『生命力。よろしく。』
『はぁ。生命力は簡単に言えば、HPです。ゲームと違って自然に回復しますけど、1日に2〜3%程度しか回復しません。』
「はい…。」
「でも、普通の人は生命力がそんなに減ったりしないのね。まぁ簡単に言えば、体の残りってことね。」
「…?」
「彼女さんは体が4〜5割無くなったのと同じってこと。」
「ということは…動くのは、回復を待つしかない…?」
「そうなるね…。」
「早く回復する方法はあるんですか?」
「今のところない。フラッターが開発するかどうかだなぁ…。」
『フラッター、よろしく』
『今日の朝聞いたじゃないですか...。能力の研究をしている組織です。人間と能力者の共生を目指しているらしいですけど。』
「今開発しているんですか?」
「今頑張っているんじゃないかなぁ。情報が少なすぎて、よくはわかっていないんだけどね。」
「なるほど…。」
そうして、話を終え、
その病室には、ベットに横になっていて、呼吸器をつけた
『どう思いますか?』
『なにがよ。』
『その人の能力のことです。多分嘘ついてますよね?』
『そんなこと今じゃなくていいだろ。その話は、先輩の意識が回復してからだよ。』
先輩の容態を確認した僕は一度家に帰ることにした。
「ただいま〜。」
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