#07 真偽
「大丈夫ですか!!」
そう言って先輩に近づく。
脈を確認する。いつも通りの脈をしている…が、体温が高すぎる。
「何が起きたんだってんだ...!?」
そうして、救急車を呼ばせ、来るまでに、できる限りの応急処置をする。
数十分後、救急車がきて、
今は、先輩が乗っている救急車に乗っている。すると、今日の朝聞いた懐かしい声が聞こえた。
「あの…
「?…なにも伝えてないけど。」
【脳に直接語りかける能力】で返事をリンセとする。
「…佐藤病院に向かってください。そこでは能力関係の診察をやってくれます。」
「なるほど。ありがとう。」
「いえいえ。」
と、助言されたので、佐藤病院に行って欲しいとお願いする。
先輩の苦しそうな顔は初めて見た。でももう見たくはないかな。
*
そして、佐藤病院に着いた。先輩は連れて行かれ、僕は待機となった。ということで、気になったことをリンセに聞く。
「どこにいるの?」
「
「じゃなんでテレパシーが繋げれんの?」
「あぁ…。君はまだ完全な模倣はしてないわけだ。」
「?」
「つまりね、私が持っている能力の方が強いんですよ。」
「それはテレパシーがつなげる理由ではないような…?」
「このテレパシーは私のリクエストです。私のテレパシーは君に話しかけることができるよね?そして、君の能力でも私に話しかけれるよね?」
「…なるほど……。と言うことはLineと同じ感じのことをしてるってことか。」
「電話っぽい気もしますけどね。…あとは聞きたいことはありませんか?」
「なにその質問を待っている感じ。うーん……。あ。」
「何かありますか?」
「先輩の能力…。」
「ふふ。それです♪」
「えーと。【透明化】と【筋肉強化】だっけ。というか、リンセ見てたの?」
「はい。それはもうバッチリ。ピンチになったら、手助けをするつもりでした。」
「マジか...いるのが
「ふふ。かっこよかったですよ?あの、回し蹴り。」
「やめてくれ…。というか脱線したな…。なんだっけ、能力についてだっけ?」
「はい。まずは、【透明化】についてですが…。あの
「うん、そうだけど...。」
「どっちがどっちかわかりますか?」
「え…?えーと。……わかりません。」
「じゃ、予想してください。」
「えー。【透明化】が帽子で、【筋力強化】がブレスレットじゃないの?」
「はい。私もそう思いました。でも、確信はないですけど、多分ちがいます。」
「なんで?」
「まず一つ目。電車内で帽子かぶっていましたよね。」
「あぁ。」
俺がからかおうとした時だ。
「でもブレスレットもつけてたよね?」
「はいそうです。それだけ大事ということです。」
「あぁ。なるほどね…。」
「でもそのあと、腕を掴まれ、引っ張られている時、
「…。」
「あんなに大事な能力の核を投げ捨てるのは、おかしいと思うんです。」
「でも、緊急事態だったから…。」
「じゃ、二つ目。…彼女、左手にブレスレットつけてましたよね?」
「うん…。殴ったのも左手だった。」
「そこです。」
「へ?」
「彼女の利き手はどっちですか?」
「えーと、右手…です…。」
「ということはですよ。彼女は【筋力強化】の能力で、殴るのに、わざわざ利き手ではない、左手で殴ったんですよ?」
「でも、利き手が右なら、左手につけるはずじゃないの?」
「能力はつけたら、体全体に付与されるように、なっていたはずです。あの機械製のは。」
「うーん。謎だなぁ。」
「結果的に、能力を付与する機械を持っているのに、それをまるで知らないように動いていることがおかしい点です。」
「本当、どうなってんだ…」
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