第28話ソラ&ウミ&ルールー&ラルク

「と言う訳でエアバイク借りたいんだけど」


「何がと言う訳なのか解かんないけど私もルールーさんと使うから駄目だよ」


「え?マジで?」


 いきなり最初の移動手段で躓いた。


「兄にぃはエアバイクより早く移動できんじゃん。何で必要なの?」


「いや、ラルクさんと街まで行くんだけど担いでも背負っても僕のスピードにラルクさんが耐えられないじゃないかと」


「あー。確かに」


「空音は強化外骨格で行けないの?」


「只今、オーバーホール中です」


「マジで?なんでまた今?」


「プロト衛星設置が思った以上に負担掛かってね」


「あー。そうなのか。すまんな」


「まあ、必要だったし、しょうが無いよ」


「さてと、んじゃどうすっかな」


「若干遅くなるけど、エアバイクで荷車引いてみる?」


「それ、荷車に乗ってる人が大変な事になるのが目に見えるな」


「あ〜やっぱりそうだよねぇ」


「無理矢理3人乗れない?乗れれば僕は走って着いてけるけど」


「うーん。それが確実かな?ちょっと座椅子取り付けてみるよ」


「よろしく。って事なのでラルクさん、今日中には街に行けるので準備お願いします」


「すまん、ウミちゃん。俺はもう既に理解が追いついていないんだが、なんの話だ?」


「ですから、足は確保したので今から出掛ける準備して下さい。戻りますよ」


「あ、ああ。わかった」


「空音。準備出来たら迎え来て」


「ん。わかった10分くらいで行けると思う」


「了解。さあ行きますよラルクさん」


「わかった!わかったから押さないでくれ!」


 こうして、僕、空音、ルールーさんとラルクさんの4人でベータウン城塞都市に向かう事になった。


「は、速い!速いよ!ソラちゃん!」


「ラルクさんうるさい!」


「ちょ!ラルクあんた何処触ってんのよ!変態!マルタに言いつけるわよ!」


「いや!落ちる落ちるって!先生止めて!マジで落ちるから!」


「賑やかだなぁ〜」


 移動中ルールーさんの後ろに座ったラルクさんが落ちない様にルールーさんにしがみついてセクハラしていた。


「ちょっと、バランス悪くなるから暴れないでよ2人とも!」


「だってコイツ私の胸、触ったのよ!」


「うわ、最低ぇー」


「ワザとじゃない!断じてワザとじゃない!事故だから!信じて!」


「皆、元気だなァ〜」


 そんな皆の横を軽く走りながら眺めていた。

 そんなこんなで、やって来ました城塞都市ベータウン。


「それじゃ、私達は薬師ギルド行くから」


「了解。連絡はチャットでよろ」


「ほーい。んじゃ、また後でね」


「あいよー」


 空音とルールーさんと別れて僕達は狩人ギルドに向かう。


「ウミちゃん着いたら直ぐに試験受けるよな?」


「良いですけど、試験官いるんですか?」


「まあ、居るだろ?試験官だって1人や2人って訳じゃないだろうし」


「なら良いですけど」


「それより試験代は大丈夫なのか?俺は自慢じゃないがそんなに持ってないぞ」


「いや、本当に自慢じゃないですね。大丈夫ですよ。空音に借りましたから」


「そうなんだ。よくもまあ、そんなにあの大金ポンと貸してくれたな。やっぱり兄弟だからか?」


「まさか。返す宛があるからですよ」


 そう。僕はギルドカードに関して空音に話を聞いていた。

 ラルクさんと狩人ギルドに入ってダンジョンを攻略する旨を話した所、試験代はあるのか?と聞かれたのだ。

 何でもステータス内の所持金を使う為にはギルドカードが絶対必要との事でコールを現金化するにもギルドじゃないと出来ないからと言われた。


 ちなみに、今幾ら持ってるか聞かれたので話すとどうやら空音の10倍以上持ってる事が判明した。

 まあ、ずっとダンジョンに篭っていたから当然と言えば当然の結果だった。


 それで、試験は現金が必要との事で手持ちのコールはギルドカードが無ければ取り出せないから、試験代を貸してくれると空音が貸してくれたのだ。


「まあ、利子は高く付きましたけど」


「なんだ兄弟同士なのに利子とか取るのか?」


「……買い物に付き合わされる事になりました」


「ははは!確かにそれは利子だな。時間は黄金よりも高価ってのは誰の名言だったか。女の買い物は長いからな」


「ええ、全く。一体何がしたいのか。さっさと決めて買ってくれれば良いのに」


「まあ、それに耐えるのも男の甲斐性だろ!」


「まあ、タマルちゃんとマルタさんのお土産次いでに付き合ってきますよ」


「まあ、頑張ってくれや」


「何を言ってるんですか?ラルクさんも一緒ですよ」


「何!?」


「だって帰りどうするんですか。一緒に帰るだから団体行動を乱さないで下さいよ」


「マジか」


「ラルクさんもタマルちゃんとマルタさんになんかお土産買っていけば良いじゃないですか」


「だが、何を買えばいいか…わからん」


「せっかく女性陣がいるんですから2人の為にアクセでも見繕って貰ったらいいんじゃないですか」


「む。そうか?」


「そうですよ。それが男の甲斐性なんでしょ?」


「うぐ!そ、そうだな。よし、そうするか。しかし、ウミちゃんと話していると男のダチ同士の会話みたいで女の子ってのを忘れちまうな。っとすまん。気を悪くさせちまう言い方だったな」


「いえ、全然問題ないので。寧ろ全く気にしなくて良いです」


「そうか?」


「そうです」


 等と会話していると狩人ギルドが見えてきた。


「んじゃ、ぱっぱと試験終わらせて売るもの売っちまおうぜ」


「了解!」


 さあ、試験のお時間だ!

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