第16話ソラ&ルールー

「ん?メッセージ?なんだろ?OPEN」


 ーMessageー


 ーーーーー


 ver.5.4.1


 への更新が可能です。



[ダウンロード]


 ーーーーー


「何?これ?」


「どうしたの?ソラ」


「いや、私もよく分から…」


『自動ダウンロードが開始されました。

 50%・76%・89%・99%・100%ダウンロードが完了しました。

 続いて自動アップロードを開始します86%・99%・100%

 アップロード完了しました。


 再起動します』



「ふぁ!?」


「な、何?ソラ?大丈夫?」


『再起動しました。


 起動完了。


 ーシステムチェックー[CLEAR]

 ーバイタルチェックー[CLEAR]


 


 ようこそ〈Genesis Real World〉へ。

 創世の世界へ羽ばたく雛鳥を歓迎します。


 システムが拡張がされました。

 それに伴いReal World内でのボスモンスター及びレイドモンスターの生成構築が完了しました。


 ダンジョンが解放されました。

 それに伴いダンジョンアタックが可能になりました。


 アイテムボックスが拡張されました。


 インジュリープロセスが構築されました。


 メディケーションプロセスが構築されました。


 リザレクションプロセスが構築されました。

 それに伴い、称号[復活へと至る万能薬師]が登録されました。


 パーティー機能が再開されました。


 フレンド機能が再開されました。


 チャット機能が再開されました。

 フレンドチャット内にメッセージがあります。


「空音!無事か?迎えにきたぞ!今、何処にいる?」』



「兄にぃ!」


「え!にい?」


「兄にぃがこの世界に来てる!私を迎えに来てくれた!」


 もはや観光どころでは無い。


「ルールーさん!私行かなきゃ!」


「行くって何処へ」


「兄にぃの所だよ!」


「ソラはそのにいに?が何処に居るのか分かってるの?」


「そ、それは……そうだ!フレンド機能一覧!ウミ!あった!場所は…あ、アルファ村……よ、よかったぁ」


「アルファ村なの?なら問題ないじゃない」


「う、うん。ちょっと連絡入れとく」


「連絡?今から行商人経由で手紙出すより私達の方が早く着くんじゃない?」


「あ、違くてチャット出来るから」


「チャット?」


「えーと、文字電話?説明が難しいな」


「でんわって何?」


「え?そこから?えーと、遠く離れた所からでもお喋り出来る機能?」


「そんな事出来るの!?」


「まあ、今は私と兄にぃだけだけど」


「へえ、凄いのね。ソラの世界って」


「まあ、そうなのかな?」


「なら、別に急いで帰らなくてもいいんじゃないの?あ、でもそうよね。すぐに会いたいわよね。因みに、にいにってお兄さんで良いのかしら」


「え、そう」


「ソラも観光するなら、そのお兄さんと一緒の方がいいわよね?」


「あー。まあ、そうですね。1回帰ってからまた来ても良いですか?ここまでのルートマップは記録保存出来てるし」


「いいんじゃない?ソラだって早く会いたいでしょお兄さんに。ただ、今から帰ると着くの夜になっちゃうわね」


「あー。そうですね。」


「なら、今夜はこっちで泊まって朝早くに帰ればちょうどいいんじゃないかしら。それとも早くお兄さんに会いたくて会いたくてたまらないのかしら?」


「そうは言ってないじゃないですか!もう!それに兄にぃと離れてたのって大体1ヶ月半位ですし、そこまで寂しくはなかったって言うか何と言うか。なははは…」


「あら、そうなの?」


「そうですよ!ルールーさんに会ったのもそれぐらい前でしょ?」


「そう言えばそうだったわね。ああ、考えてみたら私にソラが弟子入りしてたのって1ヶ月そこらなのね。それなのにもう独立とか。私なんて独立するまでに5年も掛かったのに…全く嫉妬しちゃうわね」


「まあまあ、そんな事より泊まる場所探しましょ!っとその前に連絡を…」


「ねぇ、ソラちゃん。お兄さんにサプライズしない?」


「サプライズ?」


「こっそり帰ってビックリさせるの。どぉ?」


「でも随分と心配かけてたっぽいですし」


「大丈夫よ。兄は妹に甘いものなんだから!」


「ずいぶんと知ったふうに言いますね?ルールーさんもお兄さんいるんですか?」


「え?いるわよ?」


「え!そうなんですか!」


「ええ、言ってなかったかしら?だからちゃんとした事実に基づいている考察よ?」


「えー?そうなのかなぁ?ルールーさんの所だけじゃないんですか?」


「そんな事無いわよ!ほらほら、良いから行きましょう!何時も贔屓にしているホテルがあるのよ」


「えー?」


 なんだかんだゴリ押しで曖昧にされた感を激しく感じつつ私達は美味しい食事とエステサロンが売りの高級ホテルに宿泊する事になったのだった。


 何時も往復6日掛かる過酷移動なので毎回、自分ご褒美で泊まっているのだそうだ。


 うん。

 お風呂とマッサージに美味しい食事とフカフカベッド。

 確かにこれはご褒美だな!

 最高でした!





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