俺の視線の先には

@nick24

第1話

【序章】

「中学校総合体育大会剣道競技」開幕

最後の夏だ。にもかかわらず、最後の夏の緊張感なく、過ごした前日。

試合に備えて、体調を整えるとか、イメージトレーニングするとかしそうなものだけど。

お気に入りの、ロールプレイングゲームをしていた。

「だって、やりだすと止まんないだもん!」

「今、いいところだから、どんどん進めていかないと!」

そう、お姫様が出てきそうなお城を回ったり、木が生い茂って雑草が足の踏み場をないほど生い茂っているような、いかにもモンスターが出ますよっという雰囲気漂うジャングルを回っていたのだ。

その後、中ボスキャラも倒してきた!ゲームもきっと中盤まで進んだことだろう、ますます楽しくなってくるこのごろ。

「試合が終わって、家に帰ったら、続きをやろう!、楽しみ、楽しみ!」

ゲームで頭はいっぱいだ!

今日は、そんなゲームの勇者になった気分だ。なんとなく、今日は竹刀が、勇者のもつ剣、エクスカリバーに見えてくる。

敵を真っ二つに斬る技、剣に炎や雷が帯びてきて魔力の力も加わった技、なんでも行ける気がする!

「今日は寝坊しなかったし、寝起きがめちゃめちゃよかった!」

「布団から、すんなり起きれたし!」

「なんか体が軽い!」

そう、昨日は、いつもより早く寝たのと、布団に入った瞬間に寝付けるほど、ガッツリ寝れたのだ。

本当は、夜通しやる予定だったのが、お母さんに、

「いつまでやってるのよ!、早く寝なさい!」

っとギャーギャー言われて、ホントは夜通しやるつもりだったのに泣く泣く寝てしまったのだ。

いつもは、

「まだいいじゃん」

とか、反抗するけど、うるさいし、なんとなくゲームはおしまいにしようか、という気持ちになったのだ。

「ほんと、うるさいもんだ。」

とつぶやきながらゲームを片づける。

だからノー徹夜で、目がスッキリだ。

体調の良さが、ゲームの世界の勇者の技をできそうな自分を想像させる。

強豪と言われる学校のやつでも、一撃で倒せそうなそんな気分。

そんななんでもやれそうな気分で、個人戦に臨んでいた。

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