第13話 着信




明日は引っ越し。

念願の大学に合格して、お父さんと弟が引っ越しを手伝ってくれる。



マホとソウタが別れてから、ソウタとは話しづらくなって、結局、ソウタがどの大学を受けたかもわからなかった。






それでも、母親から逃れられたら、またソウタと仲よくできる。

もう障害はないのだから。








そんな時に



ピロン♪








携帯にポップアップが光る。


相手はソウタだ。

嬉しくて思わず微笑む。





メッセージの一部がポップアップに表示される。


ヨーコさん、明日はやっと二人きりだね。







ヨーコ?


















慌てて携帯のメッセージを開く。






そこにはメッセージ取り消しの文字だけが残っていた。







一瞬、手が止まった私の背後から、メッセージの着信音がリビングに流れた。















私の友達にヨーコなんていない。



ソウタも同じはず。











あの時、叱られた理由が今ならわかった。








振り向くと、母親が携帯を見て嬉しそうに微笑んでいた。


そうだ、母の名前は、洋子。


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△からの景色 櫻んぼ @sa_aku

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