第3話 約束
リコにソウタが気になると伝えてしまってからは、自分でもびっくりするほど、ソウタを目で追っているのがわかった。
ある日、いつも一緒にお弁当を食べているマホが
最近リコとユウってソウタと仲いいよね。
と探るように言ってきた。
えっとね、実行委員で一緒だから、かな?
とそっけなく答えてみる。
その反応でわかったのだろうか。
マホがニヤニヤしながら、
ひょっとして?
なるほどー、そういうことね。
よーし、応援してあげる!
何にも言わないのが好きだという答えだと思ったのだろうか。
私にそう言うと、なんだか作戦をたて始めた。
そういやマホもソウタと仲いい?
と聞くと、一年の時に一緒のクラスだったと言う。
なので私に任せなさい!
と。
マホは男女どちらにもまんべんなく友達がいて、明るくてまっすぐな子だ。
いつも決まった友達としかいない私からしてみれば、どこに行っても声をかけられるマホは尊敬に値する。
そんなマホからも応援してもらえるなんて、ソウタってやっぱりいい人なんだ。
と、その時はのんきに思っていた。
暫くして、私の知らない間に、マホがソウタとリコと私の四人でご飯を食べに行く約束を取り付けてきた。
どこからどうやってそんな話に持っていったのだろうか。
マホ曰く、おいしいランチを食べたいけど、学校周辺でどこか知らない?と、聞いてみたそうだ。
そういえばソウタは学校の近くに住んでるってリコが言ってたっけ。
この辺りに詳しいって理由をつけて聞いたんだろうか?
四人でランチか。
それなら緊張もしないだろうし、ソウタをゆっくり観察できるいい機会かもしれない。
楽しみにしておこう。
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