第2話 ときめき


文化祭の実行委員の仕事をはじめて暫くたったある日のこと。



俺も何か手伝うよ。



ソウタが絵を書く私に声をかけてきた。




どうしよう?

リコに思わず目配せをする。







そうねぇ。

色でも塗ってもらう?






パンフレットを作るリコが顔を上げて助け船を出してくれた。






へぇー、ユウって絵が上手いんだね。






こちらを見ながらソウタが笑顔で誉めてくれる。






そうだよ。

ユウって細かい作業とか好きだし、絵も上手いし、お菓子作るのも上手なんだよ。




リコがなぜか誉めまくってくれた。





なんだかくすぐったい。

いつもはリコにおんぶに抱っこで、何の取り柄もないと思ってたのに、そんな風に見ていてくれてたなんてね。





そこからは楽しく三人で作業をした。

そしてそんな日々が続くと、いつしか私はソウタの眩しい笑顔にキュンとするようになっていった。







ソウタって意外にいい人だよね。




ある日の帰り道、リコにポツリと言ってみた。

リコはなんて言うだろう?

リコは私なんかよりしっかりしていて、頭がいい。リコの意見はとても重要だと思っていた。






そうだね。

いいやつだと思うよ。




にっこり笑ってリコが言う。





そして見透かしたかのように


気になるなるわけ?


と、今度は意地悪な顔つきで聞いてくる。







こうなったら嘘はつけない。






答える間もなく、耳が赤くなるのが自分でもわかった。







ユウにはソウタみたいなのがお似合いかもね。





どういう意味かはわからないけど、リコにそう言われた。

意味は気になったけれど、ソウタを選んだ自分を誉めてもらった気がして嬉しかった。




私の目は間違ってなかったんだ。


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