△からの景色
櫻んぼ
第1話 親友
ねぇ、文化祭の実行委員にならない?
そうリコが声をかけてきた。
実行委員?
なんか面倒くさそう。
何も発していないのに、
心の声を読まれたのか、リコが続けて言う。
こういう実行委員って、やっておくと内申書に有利なんだから。
ユウ、大学行きたいんでしょ?
なるほどね。
じゃ、決まり!
ユウの分も申し込んでおくから!
有無も言わせずリコが言った。
リコは頭がいい。
要領がいいと言った方がいいのだろうか?
テストの時のヤマだって、言われた通りに覚えておくと、それなりに取れたし、先生からの人望も厚い。
ま、実際頭もいいのだ。
全くやる気もないのに、リコと共に実行委員をすることになった。
そして放課後に残ってなんだかんだと雑用をする日々が始まった。
文化祭の実行委員は真面目に学校を盛り上げようとしている、私には信じられないくらいに他人のために一生懸命になれる人たちの集団だった。
なんか場違い。
そう思いながらリコの手伝いを始める。
どう立ち回っていいかわからないので、とりあえずリコの横にいて、リコから言われたことをしておけばいいのだ。
ふと、教室を見回してみると、意外な人物が目に入った。
あれ?
ソウタも実行委員?
ふと漏らした言葉にリコが反応する。
そうそう、ソウタってこういうこと好きだもんね。
なんだ、おとなしいタイプで目立つことなんてしない人かと思ってた。
目立つことが好きって言うか、ちゃんと自分の立ち回り方を知ってるっていうか。
これは自分がした方がいいって思ったんじゃない?
とリコ。
そういやリコは一年の時にソウタと同じクラスだったっけ?
ふーん。
最初はそんなかんじだった。
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