エピローグ

女の行方

悪魔は取り返しのつかないことをしてしまった。人を殺してしまったのだ、2人も。しかも、その殺し方は普通ではない。あの後、彼女はどうなったかはわからない。もしかしたら、また誰かを殺しているかもしれない。気をつけなければならない。悪魔に会ってはならない。会ってしまえば最期だろう。どこにいるかはわからないが逃げなければならない。玩具を見つければ包丁を突きつけ、奪うだろう。あなたの全てを。だが、彼女は遊んでいるにすぎないのかもしれない……まるで、無邪気な子供のように。だが、彼女は残酷である。その玩具に飽きたら壊し、また別の玩具を探す。決して、興味本位で悪魔を探してはならない。死にに行くようなものだ。もう一度言っておく。悪魔に会ってはならない。会ったら最期だ……。裕美の物語はここで幕を閉じ……

「何を勝手に終わらせているのかしら……?」

さっ殺戮悪魔……

「ウフフフフフ……私に会った人は皆、そうやって私を呼んでいたわ……。皆、私に震え怯え、死んでいったわ……あぁ、あの顔を思いだすだけでゾクゾクしちゃうわ……。アハハハハハ……私に会っちゃうと最期なんだってね……あなたも会っちゃったね。じゃあ、死んで……」

 やっやめてくれ……!! 死にたくない!!!!!

「あら……人はいつか死ぬんだから、今、死んでも何も問題ないでしょう……?」

頼む……見逃してくれ……

「大丈夫よ……別にあなたに恨みはないから……楽に逝かせてあげる……」

 裕美は語り手の首を絞める。ぐぅ……

「ウフフフフフ……良い表情をしているわ……ゾクゾクする……じゃあ、さようなら……」

裕美は包丁で語り手の心臓を貫く。がはぁ……。

「ウフフフフフ……私が最初に質問したことは覚えているかしら? 悪いのは、智也にあの女でしょう……? そうよね……あなたは頷いてくれたわよね……。まぁ、もし首を縦に振ろうと横に振ろうとあなたの運命は変わらないわ……。この事を誰かに話されては困るから……あなたの所へ行くわ……色々準備しないといけないから大人しく動かずその場で待っていてね。1歩でも動いたら罪は重くなるわよ……。私はまだ終われないの……全ての者に裁きを下し、私の正義を示すの……ウフフフフフフフフフフ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤンデレの女 シィータソルト @Shixi_taSolt

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ