第3話
森の中へ入ると、もうまわりは真っ暗だった。
「ハハ、どうせ死ぬらなら誰にも見つからないようにもっと奥で死んでやる」
それからは、何も考えずに森の奥へと歩いた。お腹もすいたし、喉も乾いた。キースにやられたら傷もひらいてきた。それでも俺は歩きつずけた。俺に出来るのはただ歩きつずけるだけだから。しばらく歩きつずけると湖が見えた。
「…………ここで死のう」
そう思って湖に飛び込もうとすると足音が聞こえた。
「誰だ?」
返事がない。足音がした方向へと歩いて行くとそこには、緑色の魔物が10匹近くいた。
「………ゴブリン」
『ギギギ、ギギギ』
ゴブリンが、ニヤけながらこちらにやってくる。
「く、来るな」
たしかに俺は、死ぬためにここまで来たが、ゴブリンに殺されるのは絶対にやだ。どうせ死ぬなら自分の手で。そう思って湖に飛び込もうすると後頭部に激痛があった。
「ぐぁ!」
ゴブリンが石をなげてきたのだ。
「………あと………少しだったのに………」
ゴブリンが俺の方に近ずいてくる。
「…………ここまでか………どうか………生まれ変わることができたなら………次は………」
そうして俺は、意識を失ったのだった。
何だこの匂いは、何かを焼いているのか。そんなことを思いながら目をあけて見ると、まわりには、ゴブリン共がいた。俺は両手、両足を縛られていた。
「俺は、あの時死んだはずじゃあ………」
確かに意識を失う前に、ゴブリン達が近ずいてきて俺を殺そうとしてたはずじゃあ…… まさかあのゴブリン共、俺を殺さずに連れ帰ったのか。
「………最悪だ」
せっかく死ねると思ったのに、何故殺してくれなかったんだ。
『ギギギ、ギギギ』
どうやらゴブリン共が、俺の意識が戻ったことに気がついたらしい。
ゴブリン達が近ずいてきた。
『ギギギ、ギギギ、ギギギ』
何を喋って居るのか分からないが、ゴブリン共が俺を運びだした。
いったいどこへ……
「………まさか、俺を焼くつもりなのか!?」
『ギギギ、ギギギ、ギギギ』
何を言っているのかは、分からいがニヤニヤしながら何か言っている。くそ!やっぱり!このゴブリン共俺を焼くつもりだ!どうにかして逃げないと!でもどうやって。そうしている間に火を炊いている場所まで辿り着いた。
「お願いだから、それだけはやめてくれ!」
『ギギギ、ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ』
「くそ!ゴブリン共まで俺を嘲笑うのか!」
村の奴らには無能扱い、キースやアヤカ達には嘲笑われ、そして魔物であるゴブリン共にも同じ扱いをうけている。一体俺の人生はなんなんだよ!
『ギギギ』
急にゴブリン共が頭を下げている。何かくるのか?そいつはすぐに現れた。
「オ、オーク!」
森の中から現れたのはオークだった。
「ブヒィ、ブビィ」
まさかこのゴブリン共のボスは、オークだったのか!
「は、はは……もう助かるわけない」
魔物のには、ランクがありS〜Fにわかれていて、ランクが上がれば上がる程、魔物の危険度は上がるのだ。そして、ゴブリンはF、そしてオークはDなのだ。逃げれるわけない。
「ブビィ!」
そしてオークがゴブリン共に合図をだした。
『ギギギギギギ』
そしてゴブリン共が、俺を火の中に入れた。
「あつい、あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつい!!!!!!!!頼む!やめてくれ!」
「ブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィブビィ」
『ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ』
オークやゴブリン共は、やめるつもりはなく俺を嘲笑っている。俺もここまでか、体が焼けていく。もう体に感覚なんてない。
やっと死ねる、それでいいのか?本当に?
神にも見捨てられ、村の奴らには無能とバカにされ、キースやアヤカ達には嘲笑われ、さらにはゴブリン共にさへあざ笑れている。そんなんで本当にいいのか?
言い訳ないだろ!絶対に復讐してやる!村の奴らにも、キースやアヤカ達にも、そして俺を見捨てた神も、絶対に許さない殺してやる!!
そして俺の邪魔をする物は誰であろうと殺してやる!
ピロン
『ユニークスキル〘邪魔〙を習得しました』
後書き
評価よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます