第4話遺跡探検
遺跡に足を踏み入れると早速トラップのようなものが発動した。
‘ブシュン‘
「うわっ…!」
「危ない…!」
マユは俺の肩を下に押し込んで無理やりしゃがませてから自分もしゃがんだ。
「た、助かった…ありがとうマユ」
「ううん、このぐらい当たり前だよ」
と、余裕気な表情でマユは言った。どうやらこのトラップは遺跡に足を踏み入れた瞬間にその入って来たプレイヤーの頭を弓矢が打ち抜くというシステムだったらしい。…こんなの初見殺しだろ。
「あっ…」
なんか‘称号‘‘見破りし者‘を手に入れた。初めて罠を退けると手に入るらしい。…退けたのは俺じゃなくてマユだけどな。
「やったねっ!」
「…そうだな」
なんか情けないけどマユの笑顔を見るとそんなものは吹っ切れた。
「じゃあ進もっか」
「そうだな」
そして俺たちは遺跡のさらに先を進んだ。すると、‘遺跡守護訓練兵‘と表示 された敵が‘1体‘だけいた。
「どうする?マト君」
「もちろん戦う!」
俺は男らしく先導してモンスターにマユからもらった長剣でそのモンスターを倒した。そして‘称号‘‘モンスターを狩る者‘を手に入れた。
「よしっ!」
「流石マト君──マト君!」
「そんなに連呼もしなくても良いって…照れるだろ」
「照れるマト君も可愛いけどそうじゃなくて後ろ!!」
「…え?」
その掛け声とともに俺は後ろを振り返ると、大量の‘遺跡守護訓練兵‘が後ろから迫って来ていた。
「……」
まさか、あの1体だけでいた奴はプレイヤーをおびき出すための罠か!この遺跡洞窟を作った人はかなり性格が歪んでるな…
「っ!」
俺はもう死を覚悟して目を閉じた。
「……」
…あれ?何も感じないぞ。もしかして死んでもゲームオーバーとかっていう表示は出ないのか?俺は恐る恐るゆっくりと目を開けた。
「…えっ、えっ…」
俺が目を開けるといつの間にか敵は全て倒れていた。そしてその敵の屍の上にはマユが立っていた。
「マト君!大丈夫!?」
「えっ、あ、ああ…こ、これをマユが1人でやったのか?」
「うん、そうだけど?」
「……」
嘘だろ?マユはほとんど初期装備で武器は短剣だぞ?
「流石だな、マユ…」
「えへへ、ありがと♥」
まずいな、マユの足を引っ張りまくっている。いや、今は楽しむことに決めてるんだ。そんなマイナスなことを考えてたらそれこそマユに申し訳が立たない。
俺はそんなもやもやを払しょくしながら奥まで歩くと、俺たちはとうとう‘階層ボス‘の所までたどり着くことができた。
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