第2話クエスト選択
そして俺たちはとうとう初めてのクエストをする記念すべき日を迎えることになった。…この世界のどこにゲームを始めて1年で初めてゲームをする奴がいるんだ?いたら俺の目の前に出てきてほしい。
「じゃあどのクエストに行く?」
あー、目の前にいたけど俺はマユのせいでクエストに行けなかったって言っても過言ではないぐらい今までクエストには行かせてもらえなかった。だからあんなにあっさりと…かはわからないけど承諾してくれたことにびっくりした。
「うーん…とりあえず初めてだしこのゴブリン退治ってやつはどうだ?」
「ごごごごご、ゴブリン!?あんな下賤なやつとまこ──マト君を合わせることなんてできないよっ!」
「そ、そうか?」
下賤って…っていうか今一瞬まこって言ったけど誰のことだ?言い間違えただけか…?
「じゃあ逆にマユはどれが良いんだ?」
「うーん…あっ、薬草集めなんてどうかな?」
「薬草集め…?」
うーん…なんかクエストチョイスがいかにも女の子っぽいけど俺的にはクエストと言えば何かと戦うっていうイメージの方が強い。それに──
「でも、せっかくマユが長剣をくれたんだしそれを活かしたい」
「マト君…!そうだね、ごめん。武器を使わないクエストだったらなんのために装備を整えたんだって感じになっちゃうもんね…」
と、どうやら俺の考えに納得してくれたらしい。
「でもゴブリンはダメ!」
「えっ…じゃあ何なら良いんだ?」
「んー…」
そういうと、マユはクエスト掲示板の方に近寄りクエストを片っ端から見ている。すると、一つの紙を持ってきた。
「これなんてどう?」
そう言いながら見せてきたのは洞窟探検のクエスト紙だった。
「洞窟探検…?」
「うん、洞窟なら離れ離れになることも無いから」
「ああ、なるほど…」
まあ初めてのクエストとしてはいいかもしれない。
「わかった、じゃあそれにしよう」
「ほんとに!?ありがとっ!」
…マユのアバターは本当に可愛いな。このゲームはアバター名だけではなくキャラクリエイトもかなり細かくできる。俺はリアルの俺とあんまり変わらないけどマユはどうなんだろう…まあ別にどうでもいいか。
「じゃあどの時代にする?」
「えっ、洞窟にまで時代があるのか?」
「うん、異世界、遺跡、機械的…色々あるよ?」
「それって、時代によって何か変わるのか?」
「うーん…ギミックが変わったり、あとは宝箱から出てくるアイテムが変わるんだって」
すごいな、今までこのゲームをしてきたけどこのゲームの醍醐味の時代行き来をしたことが無いからなんだか今からものすごく楽しみになってきた。
「じゃあ…遺跡なんかどうだ?」
「おっけー!遺跡ねー」
そういうと、マユは遺跡を選択しすると紙から『クエスト開始』の文字が出た。タップしたらもういつでもクエストに行けるらしい。
因みに俺が遺跡を選んだ理由はごく単純で‘古の武器‘とか‘賢者の遺産‘みたいなアニメとかでよく見るやつがあるかなあ…と思ったからだ。
「じゃあ一緒にクエスト開始押そ?」
「え?わ、わかった」
そして俺とマユはお互いの人差し指をその『クエスト開始』の文字をタップした。
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