4、解決への道筋と
第16話 奈々の恋の噂の広がり
状態は良い状態じゃ無い。
姫の感情が本気で死ぬかもしれない。
だから良い状態とかそんな事は言えない。
でもその中で俺達は手を組んでから.....姫を説得しようとしている。
俺達は姫の感情と周りに立ち向かう為に.....全てに足を踏み入れていく。
思いつつ.....俺は翌日を迎えた。
俺と有栖は残念ながら学校が有る。
みんな休んだら違和感が有るから.....学校に行かないといけない。
因みにこの事は親父と洋子さんにも話した。
姫だけが知らない。
まるで.....そうだな.....。
ドッキリを仕掛ける様な感じだな、って思う。
「有栖お姉ちゃん」
「.....何。姫」
「どうしたの?何でそんな辛気臭い顔しているの?」
「.....何も無いわ。大丈夫よ」
そう?、と笑顔を浮かべる姫。
相変わらずの笑顔である。
これも.....偽物の笑顔なのか、と考えてしまう。
俺はご飯を食いながらそう思う。
「.....姫」
「.....何?有栖お姉ちゃん」
「.....今日はアンタ、学校を休まない?何だか顔色が悪そうだから」
「え?悪くないよ?何時も通り元気だよ?何で?」
「.....それは.....」
有栖は、うっ、と詰まる。
俺はその様子に、姫、と声を掛ける。
すると俺の言葉にニコニコしながら姫は、何?、と向いてくる。
俺はその様子に、休むんだ、と言い聞かせる。
すると姫は困惑した様に、え?、となる。
「.....お兄ちゃんまで。大丈夫だって」
「.....」
するとこれに対して夢色が縋った。
姫お姉ちゃん。今日は家でゲームしよ?、と、だ。
その言葉に、ちょ。ちょっとみんな。どうしたの?、と困惑する。
夢色。私は学校に行かないといけないし忙しいんだけど.....、とかなり困惑する。
そして洋子さんが、今日は体調悪そうだから連絡するわ、と立ち上がる。
姫は洋子さんにかなり驚愕する。
え。だ。大丈夫だよ?お母さん、と、だ。
その中で俺は立ち上がる。
「姫。.....今日は実はな。夢色が調子が悪いんだ。だけど誰も居ないから.....お前しか居ないんだ。家に居るのに。.....有栖も俺もテストで洋子さんも親父も忙しくてな」
「.....え?.....じゃ、じゃあ休もうかな.....」
俺の言った事は全て嘘だ。
これは最終手段と思って取っていたのだが。
全部、作戦である。
だけどこうして姫を誘導しなければ.....姫は休まないから。
「.....じゃあ今日は夢色。一緒に遊ぼうか!」
「わーい!姫お姉ちゃん有難う!」
「.....」
頼むぞ夢色。
俺たちは願いを込めながら。
夢色に託しつつ。
とっとと帰って来ようと思いながら俺は時計を見てから。
そのまま有栖と共に家を出た。
「.....姫。大丈夫かな」
「.....そうだな。.....夢色に結構辛い事を任せたけど.....夢色なら大丈夫だ。アイツは.....お前ら3姉妹の末っ子で頼りになる存在だからな」
「.....まあね。.....確かに」
「.....でも早く帰ろう。今日は幸いにも早いから。俺は学校が」
「.....私も早く帰るからアンタにそれなりに頼むわ」
だな、と答えながら。
俺達は別れた。
それから登校していると奈々が、オッハー、とやって来る。
可愛らしい制服の着こなしをしながら、だ。
そして俺を覗き込んでくる。
「どしたの?そんな顔して」
「.....何でも無いよ。奈々」
「.....うん?そうなの?.....だったら良いけど.....」
「.....」
コイツにもそのうち話す事をしないといけないが。
今は話す時では無い気がする。
もう少し話が進んでから話そう。
下手に巻き込む気が起きないから、だ。
思いつつ俺は奈々に、ごめんな、と思いつつ。
ゆっくり笑顔を浮かべる。
「奈々は元気か」
「バリバリ元気だよ?うん。だって好きな人が居るから」
「ブッファ!.....お前!!!!!」
「えへへー。私は隠さないもん。告白したからには」
「.....あのな.....」
えへへ、と笑顔を浮かべる奈々。
無邪気そうに八重歯を見せる。
相変わらず可愛いな、と思える。
褐色肌が.....その。
胸元を強調しているのだが。
「あ。胸元見てるー。えっちだね。はるちゃん」
「良い加減にしてくれよお前.....」
「良い加減にしないもん。アハハ」
「.....おま.....まあもう良いや.....」
それはそうと今日はテストだよね。辛いよね〜。アハハ。
とやれやれと笑顔を見せる奈々。
そんな奈々に、確かにな、と答えながら考える。
するとそんな事をしていると奈々が覗き込んできた。
「ね?今日。付き合ってくれない?」
「.....は?何にだよ」
「デートだよ。アハハ」
「.....」
奈々はニコッとしながら俺を見てくる。
デート.....、か。
しかしな.....、と思いながら俺は奈々に向いた。
それから、すまない。今日は忙しいんだよな、と答える。
奈々は見開いてから、そっかー、とニカッとする。
「分かった。じゃあまた今度だね」
「.....そうだな。すまないな」
「でも今度は付き合ってよ?だって将来のお婿さんかもしれないし」
人がビックリしているから勘弁してくれよマジに。
俺は疲れながら.....学校に登校する。
そして下駄箱を開ける。
すると.....目の前にこの前見た顔が居た。
「よお。八島」
「この前のかわい子ちゃんまた紹介してくれよ」
「.....加藤と鈴木か.....」
所謂、俺の腹をぶん殴ったりボコボコにした加藤と鈴木が絡んできた。
俺は眉を顰める。
面倒臭い連中がまた、だな。
そんな気分じゃ無いんだがな今の俺は。
そう考えながら俺は目を細めていると.....奈々が、何?、と睨みを効かせる。
「.....ああ。お前まで居たのか。田中」
「お前には用はねぇよ。ソイツに用が有るんだわ。アハハ」
「.....あのね。今は私は.....はるちゃんと話しているの。君達に絡む暇は無いの」
すると不愉快そうに、あ?、と言い出す加藤と鈴木。
そして、何言ってやがる、とゲラゲラ笑う。
何がおかしい、と奈々は威圧する。
すると、いやだって。女が何が出来るんだよ、と爆笑。
俺は不快だった。
だがそうしていると。
その加藤と鈴木の背後から何か気配がした。
どんな気配かと言えば.....そうだな。
巌の様な男が立っていたのだ。
加藤と鈴木よりも遥かに身長が高く。
俺達も負けている様な、だ。
「え?主将!?」
「.....え!?」
俺は驚愕しながら目の前の坊主頭の厳つい顔を見る。
顔が本当にその。
不良とかじゃなくてマジに殺しに掛かる様な顔である。
そしてソイツはタジタジしている2人に聞いた。
「何をしている。君達は」
「.....いや。何でもねぇ。.....行くぞ鈴木」
「チッ。これは面倒な.....」
そして加藤と鈴木は悪態を吐いて去って行く。
それから主将とやらはソイツらを険しい顔で見送ってから俺を笑みを浮かべて見つめてくる。
奈々も主将は柔和な顔で見た。
全くな。君達に怪我が無くて良かった、と言いつつ。
手を差し出してくる主将。
「俺は田中の所属している部活の主将だ。.....3年の友崎健大(ともさきけんだい)という。宜しくな。君が噂に聞く少年か」
「俺は八島春木です.....え?噂って何すか?」
「うむ。.....田中に草野球で大胆に告白されていたではないか。我々の間では伝説の告白という事になっているぞ。君の事で持ちきりだ。嫉妬も渦巻いているぞ。アッハッハ」
「.....お前.....奈々.....」
流石にもう恥ずかしいを通り越した感じなんだが。
この学校に俺の居場所有るのか?
俺は真っ赤になりながら顔を覆う。
奈々は、あらら、とてへぺろ的な感じで笑ったりする。
いやいや.....おいおい。
もう勘弁してくれよマジに.....。
思いつつ友崎先輩を見る。
友崎先輩は同情する様な顔をしていた。
「.....君も大変だな」
「.....はい。マジに大変ですよ。色々と。苦笑ばかりです」
「アハハ。てへっ」
「あのな.....お前!」
こうして俺は友崎健大という主将と知り合いになった。
後から聞いたが.....その友崎先輩は身長が195センチ有るらしい。
化け物じゃねーか.....、と心の底から思う。
そして俺は苦笑いを浮かべてから奈々を見る。
でも奈々に頼りに出来そうな先輩が居て良かった気がする。
そう、思えた。
それから.....姫の事を思う。
大丈夫だろうか、と。
夢色に電話したり、だ。
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