第7話 パーキング


コンビニのパーキングで立ち話している

輝彦と友里恵。

当然のような情景で、バイト仲間たちは

ふたりの関係を疑いもしなかった。


いつか、結婚するのだろうなどと

思われていたらしい。


それは、少女たちらしい夢。


それほどに親密に見られていたのは

その、友里恵が輝彦を

我が物とする言動にあったのかもしれない。


「友里恵って呼んで」と要求されるので


「友里恵ちゃん、」と言うと


呼び捨てでいいの。と

熱っぽい表情で言う。


それでも、いつまでも立ち話と言う訳にもいかず

早朝勤務に疲れた輝彦は、帰るよ、と

言うと


とても淋しそうな顔をする友里恵がかわいそうに思い


「眠いから、悪いけど...あ、学校まで送ろうか、遅刻じゃないの?」と言うと、友里恵はかぶりを振り


小さな声で、大丈夫だから、と言う。


2月生まれの友里恵は、春に卒業なのだけど

その時18歳になるので「へへー、2月になれば

もうタイホされないよ」なんて


ドキっとする事を言う。


「いやいや、でもお父さん、お兄さんが悲しむよ」と

輝彦が言うと


友里恵は「店に見にきたけど、輝彦さんなら大丈夫そう」

と父親が言った、と。



そんな父親が居るのだろうか。



そうは思ったが、嘘だとも思えない。




眠いなーアタシ。寝かせて?アナタのおうちで。



なんて言うが、家に連れて行く訳にもいかない(笑)

母も居るし。




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