第3話 冬の日


サンライズ瀬戸のシャワー室で、熱い湯を浴びながら

輝彦は回想を続ける。


ある早朝、冬の日だったが

友里恵と輝彦は、ふたりで店番をしていた。


まだ深夜と呼べるような、真っ暗な町並みの中の

コンビニ。


誰も客は来ない。


店からは見えないキッチンで輝彦が掃除をしていると

友里恵は、風邪ひいたかな、と

輝彦を見上げた。


いつも、誰もいない時は

ぴったりと寄り添うので、時折

他のJKたちからは誤解を受けていた。


愛し合っているカップルだと。


そうかもしれなかったのだが。





友里恵が熱っぽい瞳でそういうので

輝彦は、子供にそうするように

友里恵の額に手を当てた。


微熱があるようだ。


少し、友里恵は体を硬直させた。

案外、遊び慣れていないのかもしれない。



薬を、と輝彦が言おうとすると

そのまま、友里恵は輝彦の懐に飛び込んできた。


鈍い衝撃がある程の勢いが、少女らしい無鉄砲さを

思わせる。


陶然としていたが、優しく抱いてあげると

友里恵は、和らいだ。


痩せぎすに思えた体は、案外に女らしく柔らかだった。


愛おしい、と

胸の中の小鳥のような彼女を抱くと

意外な事に、輝彦の本能は反応した。


それに友里恵は気づいたが

拒む事もなく、そのままふたりは抱き合っていた。





シャワーを浴びながら、回想すると

輝彦は反応してしまった(笑)。


愛故の事、である。


愛おしい者を愛したいと言う人間の性、である。




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