第140話「お約束」
「そろそろ起きる?」
二人してベッドに転んだままだった俺は、意識がはっきりとしているシャーロットさんに声をかける。
お互いが目を覚ましてから結構時間は経っている気がするけど、いったいどれだけ経っているかはわからなかった。
「まだ、いいと思います……」
そんな彼女は、今もなお俺の胸に顔を押し付けるようにくっついていた。
意識がはっきりして恥ずかしがっていたくせに、甘えん坊なのは変わらない。
そんなところもかわいくて仕方がなかった。
ちなみに、このやりとりも起きてから何度かしている。
そのたびに《まだ》という返事なので、彼女はまだ満足していないようだ。
「まぁ、せっかくだからゆっくりしておこうか」
俺はシャーロットさんの頭を優しく撫でながら、笑みを浮かべる。
今まではエマちゃんがいることが多かったので、こうして寝起きにいちゃつける時間はほとんどなかった。
それこそ、エマちゃんをソフィアさんが預かってくれていた時くらいだ。
ソフィアさんたちと一緒に暮らすようになったとはいえ、きっとエマちゃんは俺たちと寝る機会も多いだろうから、こういう二人きりの時間を大切にしたいんだろう。
「一生、こうしていたいです……」
「あはは、そうだね」
シャーロットさんとずっとこうしていちゃいちゃとしていられたら、どれだけ幸せなことだろうか。
現実はそれを許してくれないが、俺にはシャーロットさんの気持ちがよくわかる。
「離れたくありません……」
やはり甘えん坊スイッチが入っているんだろう。
くっついてきていたシャーロットさんは、ギュッと俺の体を抱きしめてきた。
だから俺も、抱きしめ返そうとすると――
『また、エマをおいてった……!』
――勢いよくドアが開き、幼い子特有の甲高い声が部屋に響くのだった。
もちろん、入ってきたのはエマちゃんだ。
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【あとがき】
読んで頂き、ありがとうございます(*´▽`*)
ついに本日(3月25日)、
『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』
6巻の発売日です!
いよいよシャーロットさんの誕生日であるクリスマスを迎える二人。
5巻で婚約者になったことで、更に距離を縮めることになる二人は――。
という感じの巻です♪
是非是非、よろしくお願いします!
これからも是非、楽しんで頂けますと幸いです♪
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