第129話「いちゃいちゃと感謝」
「――二人きり、になってしまいましたね……?」
話が終わった後、ソフィアさんと花音さんが用事があると部屋を出てしまったので、シャーロットさんが期待したように見上げてくる。
ピトッとくっついてきて、甘えたそうだ。
「よしよし」
とりあえず、彼女が好きな頭なでなでをしてあげる。
優しく撫でると、エマちゃんみたいに頬を俺の胸にスリスリと擦りつけてきた。
姉妹だから、行動パターンも似ているのだ。
だけど、いろいろと大変なことを乗り越えた今は、これだけじゃ足りない気がする。
というか、俺がもっと甘やかしたかった。
「膝、座ってみる?」
「――っ!? よ、よろしいのですか……?」
確認をしてきながらも、ソワソワと座りたそうに見上げてくる。
期待しているのが目に見えてわかるので、愛おしくて仕方がない。
「おいで」
そして両手を広げると、シャーロットさんは嬉しそうに座ってきた。
ただ、背中を預けてくるエマちゃんとは違い、シャーロットさんは横向きに座ってくる。
まるで、お姫様抱っこのような姿勢だ。
「こっちのほうが、お顔が見えますから……」
恥ずかしそうにしながらも、熱っぽい瞳で俺の顔を見つめてくる。
もしかして、キスがしたいのだろうか?
「…………」
すぐにキスをしてみるのもいいけれど、俺はちょっと焦らしてみることにした。
頬を優しく撫でてあげる。
「んっ……」
シャーロットさんはくすぐったそうに身をよじったけれど、すぐに俺の手に自分の手を重ねて、頬を押し付けてきた。
かわいい。
すっかり甘えん坊だ。
「くすぐったくない?」
「くすぐったいですけど……嬉しいんです」
この子は多分、何をやっても基本は喜んでくれるだろう。
俺はコツンッと額をシャーロットさんの額に当ててみる。
「あ、明人君……?」
「ありがとうね、シャーロットさん」
「えっ……?」
急に俺がお礼を言ったものだから、シャーロットさんは戸惑ってしまったようだ。
だけど、どうしても俺は感謝を伝えたかった。
「君がいてくれたから、俺は自分の過去と向き合えた。君がいてくれたから、今凄く幸せを感じてる。君がいてくれたから――これから先も、幸せでいられるよ。本当にありがとう」
ちょっとクサい言葉かもしれないけれど、今は二人きりなんだ。
これくらいは許してほしい。
「それは、私の台詞ですよ。明人君と出会えたことで、私は凄く幸せなのです。ですから、ありがとうございます。そして――これからも、二人で幸せになりましょう」
この先、俺がシャーロットさん以上に素敵な女性と出会うことはないだろう。
彼女は、世界一素敵な女性なのだから。
――この後俺たちは、誰にも邪魔されない空間でキスを楽しむのだった。
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【あとがき】
いつも読んで頂き、ありがとうございます(≧◇≦)
なんだか最終回みたいなあれにも見えますが、
もちろんまだまだこの物語は続いていきます♪
次話から第三章に突入しますので、
是非是非よろしくお願いします♪
面白いと思って頂けましたら、
下にある作品フォローと評価☆☆☆を★★★にして頂けると嬉しいです(^^♪
また、書籍版では全然違った展開で、
オリジナル要素も満載なので、
書籍のほうもよかったらお手に取って頂けますと幸いです(≧▽≦)
アニメ化目指して、これからも頑張っていきます!!
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