第2話 正体

おい!ちょっとまっ、、、!

痛!痛ぁぁぁ!


トラックの前輪と後輪で踏まれた。


トラックに踏まれた?でも生きてる。どうなってるんだ。

その時俺はあの何者かの言葉を思い出した。


???「次目が覚めると死なないくらい頑丈な体になれるよ。」


死なないくらい頑丈な体、そしてトラックに踏まれた。

俺は一体どうなってる?頑丈な体に生まれ変わった?いやでもそんなこと起こるわけ。


するとさっきのトラックが止まって、荷台から工事の道具を出し始めた。


なんだ?ショベルカーだ。でかいな。 工事でも始まるのか。

ん?待てよ。トラックのタイヤに踏まれ、この大きさのショベルカーそして死なないくらい頑丈な体、、、。


あいつぅぅぅぅ!!!!うぜぇぇぇぇ!

俺のこと石ころにしやがった。何が死なないくらい頑丈な体だ!ただの石じゃねぇか!


怒りに浸っていると、工事が始まった。


ガンッ!ガンッ!


地面を掘っているのか。水道管の工事かなんかか。


すると、地面を掘っている振動で周りの石たちが一か所に集まって来た。


他の石も俺みたいに生きてるのかな?

流石に生きてないか。それにしても、音がうるさいな。寝れないから工事でも見てるか。


そして数時間が経った。


そろそろ工事終わりそうだな。コンクリートを入れて固めるのか。やっとだな!


と、そのとき。箒で周りの土を掃除している作業員が石も一緒に掘った穴の中に捨て始めた。


おい!ちょっと、やめろ!俺は石だ!やめろ!おとすな!やめ、うわぁぁぁぁ!

いってえ!何をするんだ。


すると転圧機てんあつきでコンクリートを固め始めた。


ちょっと待て!いくら石だからって、死なないくらい頑丈な体だからって、あれにやられたらひとたまりも無いぞ!逃げないと!でも重くて動かない!


その時俺は確信した。死んだと、、


たった数時間だったけどいい人生だったな。また転生出来るかな。次転生したら石だけはゴメンだな。

まあでもこれから生涯を石で暮らすのもやだしこれでよかったのかな。

さよなら。ストーンライフ。


そして転圧機が俺の上を通った。


ガンッガンッガンッガンッガンッ!

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