第3話 迷転生者

転圧機の振動と音で耳に引きちぎれそうなくらいの痛みが襲って来た。


音が!うるさい!あぁ!!

耳が聞こえなくなる!


振動と音が繰り返される中、少しずつ感じる音が薄れていき、最後は何も聞こえなく無の空間にいるような感覚に襲われた。


《スキルアビリティ 超音波 取得・・・

           取得しました》


ん?なんだ?スキル?何か聞こえたような。俺の耳は無事なのか?


その瞬間。全身に鳥肌が立った。


うわ!またこれか!真下に落ちてる。


バンッッッ!

白い煙に覆われてる地面に叩きつけられた。


「またあったわね。君、死ぬの早くない?ついてないね。」


またおまえか!何処にいる!次こそ正体を表せ!俺を石に変えやがって!許さないぞ!


「君を石に転生させたのは私じゃないわ。転生した生物は前世に影響される。だから君の前世には何か石のように固いものや気持ちがあったから石になったのよ。」


俺は人間だった頃を振り返った。


確かに俺は人間の時、頑固がんこな部分があった。事故が起きる前もニュースを見た時父さんに注意されて、俺はそんな事あるわけないと自分の意思を貫いた。その結果自分の頑固さで事故に遭ってしまったのかもしれない。


なるほど。わかった!おまえがやってないと信じる。だがおまえの正体とここは何処なのか、それを教えてくれ!頼む!


「もう、しょうがないな。私は女神とでもいっておくわ。そしてここは死後の世界。」


死後の世界?って事は天国か?


「いや、ここは天国でも地獄でもない。その中間と言えばいいのか。そんなところよ。」


適当な気もするが、まあいい。わかった。じゃあ俺は何故ここに送られ、何度も転生してるんだ?


「君は、迷転生者めいてんせいしゃ。何度も転生をして転生先を見つける。」


何度も転生だと?

なんで俺だけそんな事になったんだ。


「君だけじゃないわ。君はたまたま転生する頻度が早かっただけ。どれだけ生涯が長くても、いずれ死んで転生する。だから全員が迷転生者なのよ。」


なるほど。俺はここからは逃れられないのか。


「そう。そしてここ、死後の世界では自分の何かを犠牲する事によって、その代償として記憶のない状態で一つ前の前世の世界に戻ることが出来る。」


自分の何かを犠牲。その代償で前世に戻れるってか。まるで作り話の世界にでも入った気分だ。


「それじゃ、ここの事はちゃんと説明したからね。それじゃ、じゃあね~!」


はあぁぁぁ、、

あんなのが、本当に女神なのか?でも言ってることは自分の経験から考えても間違っていなさそうだったし、俺は転生先をひたすら見つけなきゃ行けないのか。


よしわかった!やってやろう!!

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