第30.5話

 どうしよう、どうしよう、どうしよう!

 まだ眠りにつけてない状態だなんて絶対に言えないよ……!

 まさか蒼汰が頭撫でてくれるなんて……嬉しい…………

 このまま眠った振りしていればもしかしたらキスもしれくれるかも⁉

 そう少し期待をして待っていたが、蒼汰は私の頭を撫で終えると、私に小さな声で「おやすみ。大好きだよ、陽愛」って言ってくれた。

 私は蒼汰から大好きと言われ顔が真っ赤になった。

 蒼汰の胸に顔をうずくめていて本当に良かった。もしうずめていなかったら眠っている振りがバレていたかもしれない。

 でも、でも…………なんでキスしてくれないのよ~!

 私は蒼汰からキスをしてほしいのに! も、勿論頭なでなでしてもらうだけじゃ不満ってわけじゃないけど……けど、今日のキスも私からしたし、ハグだってほとんど私からしてるんだから、だから一度でも良いから蒼汰からしてほしいのに……

 いくら私が押しに弱いからと言っても、彼氏からハグされたりキスされたりするのに憧れないわけじゃない。むしろ憧れる。

 後ろから蒼汰にハグされたいし、今日みたいに特別な日にキスされたいし……

 私だって女の子なんだし……絶対蒼汰からキスしてもらうんだから!

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