第2話 魔法の始まり


ママのお父さん、つまり私のおじいちゃんが亡くなったのはママが短大生の時だった。


ママが短大の朝会に参加していた時だった。

ママはおじいちゃんの声が聞こえたらしい。


当時、おじいちゃんは心臓に病気を抱えていたが、入院する程ではなかった。

いつも通りに家で過ごしていたところ突然、心筋梗塞が発症し、そのまま救急搬送された。


ママは学校にいた。でも何かを感じ取った。


-何か良くないことがお父さんにあったに違いない


と、本能的に察した。


ママは気が気ではなかっただろう。確証がないのに学校を出るわけにもいかなく、家族から連絡が来るのを待つことしかできなかったのだから。


しばらくして、学校のアナウンスでママは職員室に呼び出された。


ママの予感は的中していた。


すぐに病院に向かった。

おじいちゃんの体調はかなり悪いものだった。

いつその時が来てもおかしくない。そんな状態だった。


ママはおじいちゃんの手を握った。


すると痺れるような痛みが体を走った。


心臓、両足、そして左腕に。


ママは瞬時に察した。この痛みは今、おじいちゃんが感じている痛みなんだと。


これがママの能力が初めて発症した時の話。

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