第4話 世界
人間と怪物。
それは互いに相容れない存在となっている。
理由は明白だ。
その昔、互いの種族は互いの領土とその支配権を奪い合っていたのだから。
怪物は、人間よりはるかに高い身体能力を持ち、魔物を従えるなど、絶対的な力で人間を攻め、人間は、非力であっても工夫と戦略、そして、数多くの武器を開発してそれらを駆使し、怪物を退けた。互いが互いの持てる力を用いて戦い続けたのだ。
そして、争いを始めて三年、一つの星の領地を二つに分け、互いに干渉をしないと決め、それを遵守するための一つの盟約を決めたことで終戦した。
《いかなる理由があろうとも、人間が怪物の国に、怪物が人間の国に干渉及び侵犯することの一切を禁ずる。もしこれが破られた場合、破った者を粛正対象とし、即刻死罪とす。》
しかし、これは人間にとって、とても不利なものであった。
盟約を破った者を粛正するのは、もちろん相手国側だ。
わざわざ自分の命を投げうってまで相手国にかかわるものなどいない。
しかし、魔物は別だ。
彼等に知性はなく、欲望のままに行動する生き物だ。
常に獲物を欲する様々なところに行くだろう。
もちろん、国境を越えた人間の国だったとしても。
人間は常に襲ってくる魔物を警戒しなければならない。
そうなれば当然、魔物を退治する人が必要になってくる。
国は戦争に参加していた者から力のあるものを選出し、これを国の直下機関として組織した。
やがて魔物退治は日常となり、国の直下機関として選出された人々は自分たちの国を守る者「守り人」として今日も魔物から国民を守ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます